絆 ―31― ページ32
その夜、私がお風呂から上がって浴衣に着替え、髪を拭きながら女湯ののれんを潜ると、隣の男湯からほぼ同時に福富主将、尽八さん、荒北先輩、泉田先輩、真波くんが出てきた。
「お疲れ様です。皆さんもお風呂だったんですね。…新開先輩はいらっしゃらないのですか??」
「あいつの風呂はなげぇから置いてきた」
「まったく、新開は風呂好きだな!!」
「ふふっ、そうなんですね」
「わー、Aちゃんお風呂上がりで色っぽい」
そう口出したのは、真波くんだ。
この人は無意識なタラシだと思う。
ひょこっと顔を出して、屈託ない笑顔でさらっとそういうことを言う。
「…褒め言葉として受け取っておきます、真波くん」
みんなと別れ、自分の部屋に戻って髪を乾かした。
夕食を全員で食べて、明日の練習メニューを決めて就寝となった。
眠れなくて、こっそり施設にある売店でアイスを買って口に頬張りながら外に出た。
今日メンバーが走ったコースの横にあるベンチに腰掛けて、またアイスに口をつける。
「夜は涼しいな」
ポツリと呟くと、シャーと聞き慣れた音がする。
普段よく聞く音。
今日も散々聞いた音。
その音はあたしの前で止まる。
「なァにやってんだよ」
それはさっき浴衣を着ていたはずの荒北先輩だった。
今はサイクルジャージを身につけている。
「別に。関係ないでしょ」
「そうかヨ」
「あんたこそ、こんな時間まで自主練??」
「まァな」
「ちょっとオーバーワークなんじゃないの??」
午前中から夕方まであんなにハードな練習したというのに、こいつはまだ走っている。
「っせーよ」
あたしにそう吐き捨てると、再び自転車に跨り、行ってしまった。
軽くため息をつき、あたしはアイスを食べ終えた。
マネージャーとして、先輩のオーバーワーク気味を気にしながらしばらく待っていると、再び自転車の音と共に先輩が現れた。
「ンだよ。まだいんのかおまえ」
肩で息をする先輩。
あたしの扱いは前と変わらず、やっぱりあたしのこと好きじゃないじゃんと思う。
「あんた、いいかげんもうやめなよ。明日もあるだろ」
「…せっ」
先輩は自転車を引き、あたしに近づいてくる。
「ンなにオレにかまってっと、また喰っちまうぜェ??」
先輩は切れ切れに言いながら、あたしの顎に手をかける。
やめろと言う前に、あたしの視界から荒北先輩は消えた。
あたしを支えにしながら、ズルズルと地面に落ちていく。
「えっ、ちょっと!!何!?先輩!!荒北先輩!!」
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poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!!宣戦布告しちゃいましたー!!東堂から奪いにいきますよー☆これからもよろしくお願いします!! (2017年9月14日 9時) (
レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 執筆お疲れ様です^^あー、戦線布告キターとテンション上がりましたw今後の展開がますます楽しみです^^ (2017年9月14日 1時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 毎度読んでいただきありがとうございます!!荒北のキャラ崩壊してませんか!?心配だったのでよかったです♪やっと荒北との恋愛が始まります!!ここまで長かった(笑)これからもお付き合いいただければ嬉しいです!! (2017年9月3日 10時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは♪更新の通知を見るたびに楽しみに、読みに来てます♪極度の靖友不足だったので26話で3割程回復しました^^;今後の展開も楽しみにしてます♪更新頑張ってください♪ (2017年9月3日 2時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 新作の方も読んでいただいてありがとうございます♪自分でも荒北とどう絡めていこうか行き当たりばったりですが、楽しめるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします!! (2017年8月9日 8時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唖耶 | 作成日時：2017年8月7日 14時
