絆 ―14― 東堂side ページ15
部活に行く途中、Aと会った。彼女はすでにジャージに着替えている。
オレの隣には荒北、フク、新開と並んでいた。
「先輩方、今日も頑張りましょうね」
そう言うAは、顔が隠れそうなほど両手いっぱいにタオルを持っている。
「A、オレも持とう」
「これは私の仕事なんですから、尽八さんはお気になさらず」
「だがそれでは前が見えないのではないか??」
オレは上から半分以上のタオルを手に取った。
「あっ!!……ありがとうございます」
「うむ、では行こう」
Aは、はいと言って荒北とは逆のオレの隣を歩く。
「…尽八さん、お願いがあるのですが」
Aが控えめに話を切り出す。
「なんだね」
「今日、私と一緒に帰ってもらえませんか??」
荒北、フク、新開が一斉にオレのほうを見る。
「そんなかわいいお願い、もちろんだとも!!ワッハッハ!!」
「ありがとうございます」
そう笑うAがオレの奥に荒北を見ていたことは知らない。
荒北もまた、彼女を見ていたようだがこれも知らない。
今日の部活が終わり、制服に着替える。
Aはというと、オレたちが使ったタオルやボトルの片付けをしていた。
「オレも手伝おう」
ボトルを洗っているAに話しかけた。
「でも…私の仕事ですし…。お待たせしてしまうのは申し訳ないですけど」
「なに、自分たちで使ったものくらい片付けられるときは片付けるさ。それに何人かでやった方が早く帰れるだろう??」
そう言ってオレはまだ洗われていないボトルに手を伸ばした。
だが、そこにはオレの手だけではない。
Aが驚いて振り返ると、荒北と新開がいる。
「…荒北先輩、新開先輩??」
「やあ、Aさん。オレらも手伝うよ」
「え、でも……」
「いいからァ、さっさとやンぞ」
こいつらがなぜここにいるかと言うと、物で釣ったのだ。
荒北はベプシ、新開はパワーバーだ。
「オレは恋する2人の味方だからさ」
新開は言いながらオレとAにバキュンポーズをキメた。
「…ならパワーバーはなしでいいか」
「いや、それはもらうさ」
洗い場の奥でピーピーという音が鳴った。
「あ、すみません。洗濯が終わったみたいなので、干してきます。ここは先輩方にお任せしてもいいですか??」
「なら、2人ずつで分担しようぜ」
新開の提案で洗い物2人、洗濯物干し2人に分かれることになった。
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!!宣戦布告しちゃいましたー!!東堂から奪いにいきますよー☆これからもよろしくお願いします!! (2017年9月14日 9時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 執筆お疲れ様です^^あー、戦線布告キターとテンション上がりましたw今後の展開がますます楽しみです^^ (2017年9月14日 1時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 毎度読んでいただきありがとうございます!!荒北のキャラ崩壊してませんか!?心配だったのでよかったです♪やっと荒北との恋愛が始まります!!ここまで長かった(笑)これからもお付き合いいただければ嬉しいです!! (2017年9月3日 10時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは♪更新の通知を見るたびに楽しみに、読みに来てます♪極度の靖友不足だったので26話で3割程回復しました^^;今後の展開も楽しみにしてます♪更新頑張ってください♪ (2017年9月3日 2時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 新作の方も読んでいただいてありがとうございます♪自分でも荒北とどう絡めていこうか行き当たりばったりですが、楽しめるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします!! (2017年8月9日 8時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唖耶 | 作成日時:2017年8月7日 14時