絆 ―13― 荒北side ページ14
オレはAの母親とA自身によって、半ば強引に家に招き入れられた。
適当に2人の話を聞きながら紅茶のカップに口をつけると、とんでもないことが聞こえて吸い込もうとしていた紅茶でむせた。
「ガハッ、ゲホッ」
「どうされたんですか、先輩」
2人の視線がオレに注がれている。
東堂のやつ、高校卒業したら結婚だァ!?
こいつらの考えていることが理解できねぇな。
「結婚すんの早くねェ??」
「先輩、うちの家系は代々そうなんです」
「今から孫が楽しみだわぁ」
「まだ気が早いですよ、母様」
楽しそうな2人を尻目に、オレはひと口残ったケーキを頬張る。
「オレ、帰りマス。ご馳走さまでしたァ」
手早く荷物を持って玄関に出る。
「先輩、ちょっと面貸して」
玄関に置かせてもらっていたチャリを出そうとすると、Aが玄関先まで来ていた。
オレもチャリを引き、外に出た。
「…ンだよ。いちいち東堂には報告しねぇからァ」
「わかってんじゃん」
「…おめーらってちゃんと好きあってんのかヨ」
「どういう意味??」
「オレが言うのもなんだけどよ、許婚ってぇのに縛られてんじゃねぇの??」
「…あたしは尽八さんと結婚したいの。嫌いなわけないじゃん」
「嫌いじゃあねぇだろうヨ。ただコイビトってやらがしてるようなことをおめーらができんのかって話」
「何それ。何すればいいの」
…つーかオレ、なんでこんな話してんだ。
オレだってしたことねぇけどヨ…。
「た、例えばァ!!手ェ繋ぐ、キ、キス…する…とかァ!!!」
言ってるオレが恥ずかしくなってきて、頭を盛大に掻いた。
当のAは目をぱちくりさせてオレを見ていた。
オレはため息を吐いた。
「…ついでに言うとォ、おめーの親は孫を期待してんだろ??つーことは、東堂と子どもを作る行為をするってことだかんな」
Aは何やら難しい顔をして、何かを考え始めた。
「……わかった。やってみる」
こいつら、ガキのとき以来手ェ繋いでねぇとかはねーよなァ!?
「まずは手を繋いで帰ってみるか」
Aが自分の手を見つめながら言った。
…マジでなかったのかヨ。
つーか、好き同士なら自然にそういうコトしてぇって思うもんじゃねぇのか!?
これ以上はこいつらの仲に踏み込むまいとして、チャリに跨る。
「あ、荒北先輩。…送ってくださり、ありがとうございました。気をつけてお帰りください」
じゃあなァ、と短く言って、ペダルを回して寮に戻った。
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poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!!宣戦布告しちゃいましたー!!東堂から奪いにいきますよー☆これからもよろしくお願いします!! (2017年9月14日 9時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 執筆お疲れ様です^^あー、戦線布告キターとテンション上がりましたw今後の展開がますます楽しみです^^ (2017年9月14日 1時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 毎度読んでいただきありがとうございます!!荒北のキャラ崩壊してませんか!?心配だったのでよかったです♪やっと荒北との恋愛が始まります!!ここまで長かった(笑)これからもお付き合いいただければ嬉しいです!! (2017年9月3日 10時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは♪更新の通知を見るたびに楽しみに、読みに来てます♪極度の靖友不足だったので26話で3割程回復しました^^;今後の展開も楽しみにしてます♪更新頑張ってください♪ (2017年9月3日 2時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» 新作の方も読んでいただいてありがとうございます♪自分でも荒北とどう絡めていこうか行き当たりばったりですが、楽しめるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします!! (2017年8月9日 8時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唖耶 | 作成日時:2017年8月7日 14時