お前らマジでなんなの。【歌い手】

新人１９ ページ31

＊


結局、三人でのコラボが決定してしまい、私は呆然と青い鳥を見つめるばかりだった。



いや、本当に何してるんだろう私。

ため息をつきながらツイッターを開くと、たくさんの歓喜コメントがきている。



なんだろう、久しぶりの感覚だ。
誰かとコラボするなんて、考えもつかなかった。




ただ、良い新人歌い手を見つけて応援するだけだった日々。それにいきなり色がついたようだ。



「……でも、まだ」



仲直りしたわけじゃないし。


私が有名歌い手達を嫌いなのは変わらないし。


……凛は目を覚まさないし。



まだ何も終わっていないんだ。
坂田さんと渉とコラボするってだけで。



私が黙ってスマホを開くと、LINEが三件きていた。




今、一番話したくない奴らかもしれない。
でも、一番話さなければいけない相手でもある。



私たちを悪く言った張本人達。
凛を活動停止に追い込んだ奴ら。



まぁ、私が行かなければ良かった話なんだけど。




天月もう一度、話したい
まふまふ言いたい事があるんだ
96猫A。会えない?



私は無表情で三人からのメッセージを見ていた。



今までとは、全く違う感じがしたのだ。
____本気で謝りたいと思っているような。



でも、私に謝って欲しいわけじゃないんだけどな。むしろ、私が謝らなければいけない場面だろう。



私は静かに文字を打ち込み始めた。

過去に囚われないで。今、私が言わなきゃいけないことを言おう。



A話す。今までのこと全部。私の家に来て。



ーーーー






……そこまでは、良かったんだ。


だけど。



_____神様はそんなに甘くなかった。




・




・




・



運命は非情にも、私を破滅させようとしている。

新人２０→←新人１８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す