thirty-eight ページ40
(こいつの能力は、言ってもうたらただ見えんくなるだけ。せやから絶対におんねんけど…)
ゾムの周りにシャオロンの気配が纏わりつく。走っていてもその気配はブレず、ずっとついてくる。ゾムは試しに、ナイフを構えながらくるりと一回転する。
(これやったらどっかに当たる？)
しかし、手応えはない。後ろから含み笑いが聞こえた。
「ハズレやで、ゾム。」
振り返れば、ナイフを振りかぶったシャオロンが。
ズサッと音がして、ゾムの着ていた軍服の背が切られた。
「あっぶね。」
「今の避けるか。お前ほんま反応速度おかしいんちゃう？」
「お前の速度もな。さっきとはえらい違いやんか。」
「お陰様でな。」
パッとシャオロンが消える。一瞬どこに行ったか見失って、ゾムは周囲を見回す。
「どこ見てん。」
声に見上げれば、シャオロンが上からナイフを構えて落ちてくる。
(姿消してから跳んだんか。脚力上がっとるやん。何でやねん。)
ゾムは内心焦りながらさっと後ろに下がり、シャオロンをかわす。
「あれ？さっきまで俺に説教垂れてたやん。やけに大人しくなってもうて、どうしたん？」
「お前露骨に調子乗ってんな。」
「お前が言うてくれたやん。目の前の奴殺す事だけ考えやって。忠実に守ってんねんで。」
「おう、俺に感謝しろよ。」
「殺されてくれたらな。」
ゾムは笑い出した。
「ええやんええやん！この空気好きやで！殺り合おうや！」
言った途端、ゾムが消えた。
「っは？」
シャオロンは辺りを見回しながら移動するが、どこにも見当たらない。
(あいつも同じ能力を？いや、そんな訳ないよな。)
シャオロンが警戒をしながらナイフを構える。すると後ろから、ゾムの笑い声が響く。
「後ろかっ…え？」
「はーずれ。」
振り返ったシャオロンの横をすり抜け、ゾムは背中を取った。
(間に合わへん！)
ゾムを目で追っていたシャオロンの首に、冷たく固い感触が伝わり、シャオロンは思わず動きを止めた。
「俺の勝ち、やんな？」
「…そのようだね。」
ゾムはシャオロンの首にピタリとナイフを当てて、楽しそうに笑った。シャオロンは悔しそうに舌打ちすると、ナイフを落として両手を挙げた。
「最初はクソやったけど、楽しかったでシャオロン。」
「煩いわ。くっそー、途中マジで惜しかってんけどなー。」
「正直途中はマジでビビったわ。なんで身体能力上がったん。」
「限界を超えた感あったわ。」
シャオロンは退場しつつ言う。
「次は倒す。」
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ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» わあい！(乗るな)(終わり所が探せない) (2020年1月16日 21時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - レスありがとうございます(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ この小説大好き☆(気持ちわりぃ) (2020年1月16日 16時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» ありがとうございます！好きだなんて…やん//(は？)コメントいただけてとても嬉しいです！ (2020年1月16日 0時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - 語彙力皆無なので分かりにくいとは思いますけど.......好き(キモ)え....... (2020年1月11日 19時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - momoさん» 読んで頂き、コメントも下さってありがとうございます。精進します。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年2月9日 23時
