thirty-seven ページ39
シャオロンは、焦っていた。
(何で、何でっ……何でついてこれんだ、こいつ！？)
彼の能力は、その姿を認識させないようにするものだ。そのはずなのに、ゾムは動きを追い、時には先読みして攻撃を仕掛けてくる。
「なんか、戦い辛そうやな。」
「お前が、原因やわ！」
「そうなん？知らんかったわ。」
「くっそ…！」
シャオロンは顔を歪める。能力こそ持っているものの、身体能力や殺傷能力にそれ程優れたところはないと、いつも自己分析していたのだ。
(コネシマはスピードが凄いし、大先生はガバるけどいざって時はAIMが光る。ショッピ君やひとらんは全般優秀だけど…。俺は？)
ゾムはそんな様子を見ながら、隙をついて相手のナイフを弾き飛ばした。
「ぅあっ！？」
「はー。全然ダメやん。」
「なっ！？」
シャオロンがゾムを睨む。ゾムは対照的にニヤリと笑った。
「なぁ、何悩んどるん？つまらんねんけど。早よ攻撃かましてきてや。そっちもつまらんやろ、こんな勝負。」
「しっ、勝負につまるもつまらんもあるかよ。」
「俺はあんで。」
ゾムは言いながら、足元に落ちたシャオロンのナイフを拾う。そしてそれを手の上でくるくると弄び始めた。
「変なことぐちゃぐちゃ考えんなよ。目の前のやつ殺す事だけ考えとけよ。それ以外、戦闘ではなんも要らんねん。」
「そんなもん…。」
「出来ひんなら辞めろや。」
「！？」
シャオロンは目を剥いた。ゾムはいつの間にか、その顔から笑みを消していた。ナイフを放る。
「面倒くさい。何考えとるか知らんけど、勝ちたいんやったら、俺を殺したいんやったらそれだけ考えとけばええのに。そんな奴と戦っても、俺楽しくないから。」
シャオロンは何も言えず、俯いた。そんな彼を見て、ゾムはニヤリとした。
「でもお前、ええん？こんなとこで、新入りの俺に負けてもうて。」
「うっ…。」
「あ〜あ、シッマと戦った方が楽しかったなぁ。」
「ゔっ…。」
「ま、『不人気』やからしゃーないか。」
「なんやとお前！？」
シャオロンの中で、何かがブチブチッと切れた。瞬間シャオロンの姿が消える。ゾムはその気配を感じようとし、ふとその多さに気付いた。
(どうなってん…全方位に気配を感じる？)
さっと後ろに現れたシャオロンにギリギリで対応しながら、その豹変ぶりに笑う。
「何やねん。やれば出来る子ってか？」
「煩いわ。取り敢えず殺すから。」
シャオロンは楽しげにニヤッと笑った。
「お前を、殺すから。」
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ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» わあい！(乗るな)(終わり所が探せない) (2020年1月16日 21時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - レスありがとうございます(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ この小説大好き☆(気持ちわりぃ) (2020年1月16日 16時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» ありがとうございます！好きだなんて…やん//(は？)コメントいただけてとても嬉しいです！ (2020年1月16日 0時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - 語彙力皆無なので分かりにくいとは思いますけど.......好き(キモ)え....... (2020年1月11日 19時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - momoさん» 読んで頂き、コメントも下さってありがとうございます。精進します。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年2月9日 23時
