thirty-four ページ36
「なんやお前、急激に爪伸びたんか？」
「下らん事抜かすな。舌噛むで。」
コネシマの眼は鋭く光っている。歪んだその口にも、鋭い牙がずらりと並んでいる。
(成る程ね…)
強く打ち込み、跳ね返された反動でさっと後ろへ飛んで着地する。
「全く吃驚や。ここには色んな奴がおんねんな。能力持ちに、
獣人とは。」
コネシマはニィッと笑う。
「よう分かったやんか。戸惑わんところを見る限り、初めてって訳ちゃうんやな。」
「まぁ、俺やって色んなところ渡り歩いとったからな。色んな奴に会って来たけどー。」
ここまででかい奴には会ったことないわ。
ゾムはその先の言葉を言わなかった。それは言わなくてもいい。いや、言ってはいけない気がした。
「ま、運良くグルッペンに拾われたからな。ここにおんねん。」
「聞いてへんけど、そうなんや。」
コネシマの外見は、人間の時より少し変化していた。爪や牙の他に、腕や脚に柔らかそうな体毛が生え、そしてー。
「お前…仮装でもしとるみたいやな。耳まで変化するんかww」
「おまっ、それ言うなや！俺やって恥ずかしいねんこれ！どんだけシャオロンに煽られとんのか分かるかお前！！」
「知らんわwwおもろw」
コネシマの頭の左右にそれぞれ、ピンと立った耳が生えている。狼っぽいな、とゾムは笑いを噛み殺しながら思う。
「くっそー、そんなに笑ったこと、後悔させたるわ！」
コネシマはそう言うと、爪をシャキンと鳴らして体勢を低くした。
突如、バッと砂埃が立ち、コネシマの姿が見えなくなる。
(速いッ…！)
ゾムが咄嗟に右へ飛ぶと、その数ミリ横を銀色の鈍い光が通過した。
「ちっ！外したか。」
コネシマは右脚を軸にグルッと急カーブするや否や、先ほどより速いスピードでゾムに迫る。両手に光る爪での連続攻撃を一本のサバイバルナイフでギリギリいなすゾムだが、
サッ
そのうちの一回が、ゾムの左頬を掠めた。
カァンと、一際高い音がして、ゾムのナイフとコネシマの爪がぶつかる。両者ともが後ろへ飛び、距離を取る。
(当たったな。でも掠めたくらいか。こんだけ叩き込んだのに、こんなに当たらんとは。)
コネシマは少しの血が付いていた左中指の爪を確認してから、チラリとゾムの様子を伺う。
ゾムは頭を垂れたまま、腕をぶらりとさせ、ただ立っている。
(何してんねや？いや、気ぃ抜かん方がいい。)
コネシマが身構えると、クツクツという独特な笑い声が耳に届く。
「やるやん。」
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ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» わあい！(乗るな)(終わり所が探せない) (2020年1月16日 21時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - レスありがとうございます(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ この小説大好き☆(気持ちわりぃ) (2020年1月16日 16時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» ありがとうございます！好きだなんて…やん//(は？)コメントいただけてとても嬉しいです！ (2020年1月16日 0時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - 語彙力皆無なので分かりにくいとは思いますけど.......好き(キモ)え....... (2020年1月11日 19時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - momoさん» 読んで頂き、コメントも下さってありがとうございます。精進します。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年2月9日 23時
