thirty-two ページ34
「案内ご苦労、ロボロ。」
「お前朝飯ちゃんと食ったか？昨日みたいに空腹で殺気出されても困んで。」
グルッペンがロボロを労い、トントンが呆れたような顔で言う。ゾムは状況が理解出来ず、呆けたように突っ立っている。
「何しとんねんゾム！はよ来いよ！」
コネシマのよく通る声で我に返って、恐々と階段を降りてきた。
「えっ、これなんなん？どういうこと？訓練ちゃうん、今日。」
「ご名答、訓練だ。但し、此処に居る幹部とのな。」
「幹部、と…？」
ゾムが繰り返すと、トントンが説明をする。
「今日は、お前の戦闘力を確かめる為に、色んな戦い方をするコイツら幹部と戦ってもらう。どのくらいスタミナが持つのか、どんな戦いを見せるのか、データ取りたいしな。」
「お前の噂もの凄いからな。どこまでが本当なのか知りたいってのもあるし。」
茶色の髪と、悪戯そうな光を浮かべたヘイゼルの瞳の男が、頭の後ろで手を組みながら楽しそうに言った。と、コネシマが呟く。
「お前噂されることないもんな。」
「なんか言うたかお前？」
「何もないで。」
ロボロが申し訳なさそうに言う。
「すまんな、ゾム。早めに言うとけば、心構え出来たかもしれんのに、俺忘れとってん。」
「がばがばやな。」
「お前に言われたないわ大先生。」
いつものように騒ぎ出した幹部を、トントンが怒鳴ろうとした時、
「…フッフフフ。クハハハハハハッ！！！」
ゾムが、さも可笑しそうに笑い始めた。
全員が、ピタリと動きを止め、ゾムに目を向ける。
「なんや、どうした。」
トントンが恐る恐る聞く。ゾムはお腹を抱え、笑い続ける。
「ッフフ、あー、面白い。ほんま面白いわ。こんな笑ったん久し振りやわ、ほんま。」
ゾムはそう言って、なおも笑いながら言う。
「朝っぱらから、この国でトップの集団と、本気で殺し合い出来んねやろ？こんなに嬉しい歓迎、そうないで！」
ふー、と息を落ち着かせた彼は、俯けていた顔を勢いよく上げ、獰猛な笑みを浮かべて低く呟いた。
「楽しませてや。」
その瞬間、そこにいた幹部全員が寒気を感じた。その場の空気が一気に10度くらい下がったようである。誰もがピクリとも動けない。まるで、首筋に刃物でも当てられているように。
これまで数々の戦争をこなしてきた国の、優れた幹部の面々なのにもかかわらず、である。
瞬時に理解した。理解せざるを得なかった。
これが、殺気だ。
これがコイツの、殺しの波動なんだ、と。
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ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» わあい！(乗るな)(終わり所が探せない) (2020年1月16日 21時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - レスありがとうございます(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ この小説大好き☆(気持ちわりぃ) (2020年1月16日 16時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» ありがとうございます！好きだなんて…やん//(は？)コメントいただけてとても嬉しいです！ (2020年1月16日 0時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - 語彙力皆無なので分かりにくいとは思いますけど.......好き(キモ)え....... (2020年1月11日 19時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - momoさん» 読んで頂き、コメントも下さってありがとうございます。精進します。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年2月9日 23時
