【ファイ･ブレイン】黄金比と白衣の涙～return～ (ページ7)

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シュバイツァーのモデル体験ページ7

教えて、くれたのは―――

「動いちゃだめー」

「あ…うん」

ぴしっと背筋をのばしたユウリに、ダ・ヴィンチはすらすらと画用紙にクレヨンを走らせながら、ふにゃっと笑った。

「カイトよりお利口だねぇ」

天才テラスに増えた新たな偉人は、特にアナ・グラムのお気に入りと化しつつある。
お気に入りというのは彼女曰わく、“すっごく勉強になるモデルさん”らしい。

ユウリはレモンティーの入ったカップを両手で持って、ソファに腰掛けていた。

ゆっくりと口元に運んで、一口すすってから素早く定位置に戻す。

「おぉ、早業」

ノノハが隣で褒めてくれては、アナの絵を覗き込んでは瞳を輝かせることを繰り返すので、こちらは焦るばかりだ。

「どれどれ、俺達にも見せてくれよ」

「だめ！見せたら即倒れるくらい可愛いから、絶対にだめ、今はだめ―！」

「逆に怖いです、その言い方」

男子陣に両腕をクロスさせて首をしきりに振るノノハに、ひとりまともな意見を投げたユウリである。

「うん、うまく描けた」

やっと至福のティータイム、待ってましたとばかりにシュバイツァーはカップに口をつけ、偉人たちはスケッチブックに飛びついた。

「ほぉ…」

「わぁ…！」

カイトとエジソン――キュービックの感嘆の声が上がる中、やはり興奮冷めやらぬといったハイテンションで、ノノハがアナに肝心なことを聞いた。

「題名は？」

「“もしシュバイツァーが女の子なら、小さい時はこんな感じだろう”！」

「ぐはっ」

「わわ、ちょっと誰かティッシュー！」

ひとりくつろいでいたユウリは、ガリレオが鼻血を吹きながら倒れるという、貴重な場面を見て悲鳴を上げていたが。