ムリヤリ結婚。【センラ】

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「折原社長！ご無沙汰です！」

父さんが挨拶をし始めたら基本的に俺はフリー。

真冬兄さんは次期社長だから、ずっと一緒。



真冬兄さんは、相手はどうするつもりなんだろう。



せ「……そんなことどうでもええや。…どっかまわろかな。」

白ワインを片手に歩く。

ちらちらとこちらを見る視線。

誰もが俺の事を知っている。

あの折原社長の次男だ。

お見合い先は決まっていない。



何もかも聞こえる。

汚らしい。





俺が歩みを止めると、周りの女性が集まってくる。

対応が面倒くさい。



「折原さんてーとても素敵ですねー？」

それは父やろ。

「折原さんかっこいい方ですね！」

外見しか見てないやつは嫌い。



愛想笑いをしながらふとなにを思ったのか前を向くと

ひとりの女性がいた。





何処かを見つめ、たそがれている。

それがなんとも美しく思えた。

あの女性はなんていう名前なんだ。

名前だけでも聞きたくて。



周りに戯れる女性を退けて、その女性の方へ向かう。

…だけど気づけばいなくなっていた。




せ「……なんでや、あの子……頭から離れん……」

パーティーが終わった後、家に帰ってもあの子が頭から離れない。





せ「……お見合い写真におったりするかな。」

ここで初めてお見合い写真を見た。

ここには写真と名前がのっている。




必死に探した。

なぜこんなに必死なんやろ。

そんなの簡単だ。

……あの子に恋してしまった。





せ「……おった。




_____長谷川……A。」

その子の顔が凄く、物凄く愛おしく感じて

俺はその写真を優しく抱きしめた。

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