ムリヤリ結婚。【センラ】

買い物 ページ21

『……ん…ん……ぅ……？』

目を開けると昨日と同じ、また目の前にセンラ君がいた。

……昨日……あんまり寝た記憶ないな……。

えっとたしか……あぁ。



……センラ君に手を引かれて寝たんだっけ、





……なんか、申し訳ないな。

なんて思うより先に、


あんなだらしない私を見せてしまった事に焦りと恥ずかしさがこみ上げてきた。




…てか、これっ！

凄く…抱きしめられてない！？



私は今、センラ君の腕の中。

いや、恥ずかしい。恥ずかしすぎる。



『……でも、あったかい。』

暖かいとか何ふざけたことを言っているんだろう。

こんな人、好きじゃない。

私が好きなのは……真冬さんだ。

まぁ叶わない思いだけれど。





せ「……ん…？……あ、A。

……おはよ。」

見上げてセンラ君を見る。

『……離れてください。腕を離してください。』

せ「……昨日は、素直やったのに。……でも、顔赤いの可愛いわ。」

『っ！？！？……離れてっ。…出かけるよっ。』

せ「…嫌。もう少しこのままでいさせて。」

『……な、なんで…。』

せ「…知ってるんやろ。俺がAと無理矢理に結婚させたこと。
…ただの俺のワガママやの。」

優しく抱きしめられる。

私は離れようと思って向かい合っていた体を外向きにしていた。

だから今バックハグ状態。

心臓がうるさい。


せ「……これも、俺のワガママ…。
……A、抱きしめると心地ええから、」

ふふっと笑うと息が私の頭にかかる。

『……ぅ……』

せ「……ん……。……Aはこの結婚やめたい…？」

『え？………………。』

やめたい。


あれ。



なんで言えないんだろう。

そんな簡単な事を。





せ「……ふはっ。……嬉しいなぁ。」

『……まだ何もいってない。』

せ「もしほんまに嫌やったらすぐ嫌っていうやろ？

少なくとも嫌われてることはなさそう。

…よかった。無理矢理でも結婚できて。」

センラ君は私の頭に顔を埋めた。

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