兄さんの忘れ物を届けに行ったら初対面な名探偵に結婚を申し込まれてしまった。

1話 ページ3

結婚、けっこん、ケッコン、…血痕？


「言っとくけど、血痕じゃないからね。」


「あ、はい。」


思考を先読みされたが、気にせず目の前の少年を見る。


年齢……は、分からないが、とりあえず私よりは若く見える。



「失礼ですが名前は？」


「江戸川乱歩。」


……うん、知らない名前。私この人と知り合いじゃないよね！？


なんて混乱する頭で辺りを見回して助けを求めるが、


メガネの人は驚きからか倒れており、
白い男の子はメガネの人を介抱しており、
男女の……カップル？は“ナオミ達も結婚します？”なんて言っている。



……うん、助けを求められる人がいない。
そもそも兄さんはどこ行ったのだろうか、折角忘れ物を届けに来たのに。



助けて、と言うように辺りを見ていると、


「皆さん、おっはよォ！」


と軽快な兄さんの声が聞こえた。



「に、兄さんンンンンンンんん！！」

「グッフォ、！」


こんなにも兄さんを求めたのは初めてな気がする。
周りから“兄さんっ！？”なんて声も聞こえたが無視だ無視。



「兄さんンンン！！どこ行ってたのさ！大事な時に居ないんだから！！あ、これ忘れ物の財布ね。」



「、うん、ありがとう。けど一回どこうか、お腹が圧迫される……」



忘れ物を渡して死にそうな兄さんの上をどく。


「兄さん、やばい。決闘申し込まれた。」

「だから結婚だよ！」



ちょっとした突っ込みが聞こえたがそこは敢えて無視をする。


「に、にににに、兄さんっ！？」


何だか慌てたような声が聞こえ、そこを見ると、


先程まで倒れていたメガネの人が私達を指さし、また倒れそうになっていた。

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