10話 ページ12
「あの、すみません。」
「ヒッ、わ、我輩であるか…?」
カールを送り届けるため話しかければ驚かれてしまい、何となく申し訳ない気持ちになる。
「カールってこの子ですか?茂みに隠れてましたけど…」
「!カール、!どこ行ってたのであるか…!」
アライグマを渡すと嬉しそうに受け取る男性。
うん、良かったね。
一件落着で去ろうとした時、
「ま、待って欲しいのである、!」
後ろから先程のアライグマの飼い主に声を掛けられた。
「?どうしました?」
「あ、あの、お礼をさせて欲しいのである……。」
「お礼なんていいですよ。その子が自分から来てくれただけだし。」
実際、私は飼い主さんに手渡しただけだ。
カールは賢いので私がそんなことをしなくてもすぐに再会出来ただろう。
「だ、だが、このままでは悪いのである……それにお礼をしなければ、我輩、カールから怒られ、いただただ、!」
見ればカールは飼い主さんの頭に噛み付いていた。
……え、さっきまであんなにも大人しかったのに。
やっぱりアライグマなんだなぁ、と思っていると縋るような目で、と言っても前髪で目は見えないが、そんな目でこちらを見ていることに気付く。
「……では、私の話し相手になってくれませんか?」
「……話し相手、であるか?」
「はい。私、小説を書いているんですけど、ネタに詰まったので気分転換に散歩していたんです。気分転換に、付き合ってくれませんか?」
ちょうどここは公園なのでベンチもあるし。
「わ、我輩でいいのであるか、?」
「うん、よろしくお願いします。」
こうして私とエドガー・アラン・ポオ略してポオさんとの小説語りが始まった。
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山猫(プロフ) - 月さん» ありがとうございます。更新が凄く遅いですがこれからもよろしくお願いします! (2019年4月7日 16時) (レス) id: 83a8e3ed22 (このIDを非表示/違反報告)
月煇(プロフ) - おもしろいです!すごく続きが気になります。あとイメ画可愛いですね! (2019年4月7日 11時) (レス) id: 5c7616bba1 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます!そう言って貰えるとどちらも作りがいがあって嬉しいです! (2019年3月10日 23時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - イメ画とっても可愛いです!作品の内容も面白くて好きです! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - らくろさん» ありがとうございます! (2019年3月10日 12時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年3月5日 20時