兄さんの忘れ物を届けに行ったら初対面な名探偵に結婚を申し込まれてしまった。

9話 ページ11

「……何あれ、？」


兄さんが仕事に行ってから少しして、ネタに詰まったので外へ散歩していた。……のだが、



「カール〜、どこ行ったのであるか、カール〜……」



長身の男性がキョロキョロと辺りを見回し、カール？を探していた。



どうせ暇なので手伝うべきか悩んでいると、近くの茂みから“キュー”という声がした。


カール(？)の鳴き声かな？と思い覗いてみるとそこに居たのは、


「え、アライグマ……」



なんでアライグマがここに？
アライグマって野生だと凄い凶暴で危ないんじゃ無かったっけ？



どうしよう、と考えているうちにアライグマはこちらに寄って来たかと思うと私の足をてしてしと叩き、先程の長身男性を指差す。



「……君がカール？」



そう思わず聞くとｺｸﾘと頷いたカール。
……賢いな。と思いつつ、連れて行けと足元で訴えているカールを抱き上げ、男の元へ向かった。

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