太宰さんが一ヶ月だけポートマフィアの幹部に戻るそうです。

第40話 ページ45

No side


太宰はAを力強く、二度と離すまい、と抱きしめる。


太宰｢A、Aｯ!｣


太宰は迷子の子供が母親を見つけたように何度も名前を呼ぶ。

まるで、そこに存在しているのを確かめるように、

目には涙が伝っており、そこにはAにしか見せない太宰がいた。


Aは太宰を優しく抱きしめ返す。


｢ふふっ治は相変わらず寂しがり屋だね。｣


太宰｢こんなに泣いてるのはAのせいなんだけど…｣


太宰はムスッとしながら今度はAの顔をよく見て言う。


太宰｢良かったｯ良かったｯ無事で、本当に、良かったｯ!｣


Aは太宰の頭を撫でながら、謝る。


｢ごめんね、治。約束、したのに…一人にして、ごめんねｯ!｣


先程まで我慢していたのかAは涙を流し、嗚咽する。


太宰｢何でAまで泣くのさ…！｣


｢なんとなくｯ!｣


それからもAはごめんねと謝り続ける。


｢ねぇ、治。約束守れない彼女なんてもう嫌だよね。ごめんね。私と、別れた方が治にとっても幸せだよn｣


そこまで言うと太宰は全部言わせない。と言うばかりに荒々しく、だがどこか優しく接吻した。


思考が負になっていたAは突然の事に驚き、思考を止める。


｢…治？｣


太宰｢許さない。もう、例えどんな理由があろうと離れるなんて許さない。｣


｢治…いいの？一度は、約束を破っちゃったんだよ？｣

戸惑いながら聞く


太宰｢それでも、私は君以外とは、生きようとは思わないよ。


ねぇ、A…


また、私の彼女になってずっーと一緒にいてくれる？｣


Aは太宰の言葉を聞くとｺｸﾘと力強く頷いた。


太宰｢これからは、離れないでね…｣


｢うん、今度こそは、約束、守るよ。｣


二人はこれまで会えなかった空白の時間を埋めるように手を絡め、身を寄せ合った。

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