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第15話【過去編11】 ページ17

Aが唄い終わると同時に、イヌはさらに凶暴化した。


まるでAの詩に応えるように、だ。


だとしたら、このイヌを操っているのはAなのだろうか。


そんな事を考えていると、


イヌは標的を奴らから私に変えたかのように襲ってきた。


“あぁ、死ぬのか、” 率直にそう思った。


……前まではあんなにも死にたかったはずなのに、死のうにもAの存在が横切り、死ねない。


私は、まだ死ねない、


そう思ってもイヌは動きを止めることなく
真っ直ぐ私の所にやって来て、

そのまま噛み付こうとしてきた。

私は必死でそれを避けながらAの元へ向かう。


私だけ逃げても意味が無いからだ。
逃げるならAも連れて行かなければ…


そう思いAの元まで全力で行き、


意識があるか分からないAを背負おうと触れた瞬間、


私がAに触れた所から光が発生した。


眩しくて思わず目を閉じ、収まった頃に再び目を開くと、


先程まで噛み殺さんばかりの勢いで
いや、実際噛み殺そうとしたのだろう。


そんなイヌがいなくなっていた。



今までの事が嘘のように、その場に静けさが訪れる。




A「っん、……治?」



先程まで意識があやふやだったAが目を覚ます。


太宰「ッA!!」


両肩を掴んでAの体の具合を見る。


目にはいつもの様に光は戻っているし、
大きな怪我もない。
顔色もまあ良い方だ。


A「…えっと、どうしたの?」


Aは周りを見回して困惑するように聞いた。


太宰「色々あったのだよ。それよりA、怪我はないね?」


少し首を傾げながらもAは素直に頷く。


太宰「そう、それなら良かったよ。とりあえず、ここからでよう、か…?」


急に肩に重みが掛かったと思い見てみると


Aは私に頭を預けて寝ていた。




Aをギュッと抱きしめ、窓からすっかり暗くなった外を見る。


あぁ、きっと、自分がこの人達を殺したと知ったらAは悲しむだろうな…


だって、Aは私と違って、優しい子だから…


私とAはこんなにも違う。


こんなにも近いのに、


何だかAが遠く感じてしまう…


あぁ、悲しいなぁ…



窓からは、皮肉なくらい美しい月だけが見えており、


空にポッカリと穴があいているようだった

第16話【過去編11-裏】→←第14話【過去編10】


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設定タグ:太宰治 , 軽いヤンデレ , 溺愛
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 抹茶さん» ありがとうございます。同じくヤンデレ太宰さんが大好きな山猫です。これからもコツコツ更新頑張ります! (2018年11月21日 17時) (レス) id: 227b6b53a3 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - 初めまして、お話一気読みした者です。ヤンデレな彼がたまらなく好きなので読んでる時凄くピンポイントで来てキュンキュンしっぱなしでした。これからも大変だとは思いますが応援させて下さい! (2018年11月21日 9時) (レス) id: 59217b1500 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 桜鈴ミクさん» ありがとうございます!太宰さんの泣き顔を見たくて作った作品なので驚いてくれて嬉しいです!更新頑張ります!(桜鈴ミクさんも作品頑張ってください!ヤンデレ太宰さん好きなので続き楽しみにしてます!) (2018年11月17日 23時) (レス) id: e142fa787b (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴ミク(プロフ) - 俺の作品のコメントでビビッと運命(?)を感じてしまいまして来ちゃいました!凄く文章を作るのが上手いですね!普段の太宰さんが泣いているというところで少し驚きつつ照れました((更新頑張ってください!応援しています! (2018年11月17日 23時) (レス) id: 9e19b23408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山猫 | 作成日時:2018年10月27日 20時

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