le petit cadeau (ページ8)

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rain JS ページ8

ふと気配がして

長時間格闘していた課題から
目を離して前を向くと
缶コーヒーが置かれていた

このブランドのブラックを私が好んで飲むことを
最初から知っていたか、偶然か

『…ジス先輩』

JS「お疲れ様」

『お疲れ様です』

眩しいほどの美貌を持つ先輩を
今日も麗しい限りです…なんて
心の中で拝んでいたら

JS「あは、すごい間抜けな顔してるよ」

いけない、また惑わされてしまった

これが本当の姿なのをすっかり忘れてた…

JS「そんな怖い顔しないでよ
　せっかく可愛い顔してるのに」

『言ってることが矛盾してますよジス先輩』

JS「これ何の課題？去年これやらなかった気がする…」

話を逸らされる

何もなかったかのように隣の席に座った先輩

飄々とした様子にこれ以上追求することを諦めた

『キム教授の講義で…』

JS「結構大変で有名な人か…」

『必修科目だったのでこればっかりは仕方ないです』

JS「ちょっと見せて」

私の方に寄った彼との距離が近くて緊張する

心拍数の安定の為にも、ここはできる限り離れなければ

そろりそろりと気づかれないように
反対側へ体重をかけた

JS「It seems like...and...」

JS「…あ、ここを…」

横顔も綺麗だな…

絵本から出てきたと言われても信じちゃうな

ボーッと先輩を見つめていると目が合った

JS「何してるの、ほら」

彼の反対側の腕に手を回して
ぐっと引き寄せられる

　「分からないとこはここ？

　 …厄介な文章だけどそこまで難しくはないかも
　
　この部分とかよく見て考えてみて」

油断すると肩が触れてしまう距離

『…はい』

『…これであってますか』

JS「正解、よくできました」

綺麗すぎる笑顔に見惚れて

頭を撫でられたことに気づいたのは5秒後