le petit cadeau (ページ33)

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推しに出会ったきっかけは、お兄ちゃんのインスタです。

お兄ちゃんのインスタのストーリーに
彼が映っていて、その容姿が私に衝撃を与えました。

勿論、顔だけが推すポイントではないけど
最初はそうでした。

少し気持ち悪いかもしれないけど、
彼のインスタ垢を探してもそれらしきものは見つからず…

また出ないかなとお兄ちゃんのストーリーを追っていたが、
中々現れることはありませんでした。

彼がインスタもやっている気配は無かった為、
(インスタやってないのも私にとっては加点案件ですが)

これで終わりか…と思っていた矢先、
学校で兄と一緒にいる所を発見したのです。

JN「ウォヌ、早く行こうよ！」

WN「はいはい」

体育の授業が始まる前に体を動かしたいのか
早くグラウンドに行きたい兄

と、一緒に歩く彼

思っていたより背が高く、
細身だけど肩はしっかりしてて、声が低くて、

ストーリーの中では眼鏡してたのに
眼鏡を外すと目がキリッとしてて、

実物を見て、私はもう一度衝撃を受けました。

「あれ、今階段降りてきたのAのお兄さんじゃない？」

『…うん』

「あんたが羨ましいよ
　あんなに格好良いお兄さんがいるなんて、
　うちの弟と交換して欲しいわ」

『…うん』

「聞いてないでしょ、」

それからはふとした瞬間に、
校内で彼の姿を探して見つけては、嬉しくなって、
いわゆる"推し活"を密かにするようになりました。

推しに関して
私の家で思いがけない不意打ちを食らったことがあります。

部活が終わり帰宅すると
玄関には見慣れない男物の靴が2つ並んでいました。

キッチンで夕ご飯を作っていたお母さんに
『お兄ちゃんの友達来てるの？』と聞くと、
「テスト勉強するって」と返事が。

着替えようと2階に上がって自分の部屋に向かうと、兄の部屋からは話し声が聞こえてきました。

部屋について制服を脱ぎ、
楽なスウェットに着替えました。

変なキャラクターが書かれているけど、
もう何年も着ているせいか、自分の肌に馴染んで愛着が湧いているものです。

ふと隣の部屋から聞こえてくる男子の声

お兄ちゃんの友達ね…

この声からして
スニョンさんは確実にいるな

あともう1人…低い声だけど

ちょっと待て、

自分の記憶が間違えていなければ
今聞こえた声はもしかしなくても、あの人では？