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図書室の窓から
急いで彼の姿が見えないか探した
ありがとう、と
今言わなきゃいけない気がした
まだ帰ってませんように、
そこに見えた彼の姿
校門に向かって歩いている背の高い青年
あれは彼に間違ない
3階から彼へと
大きな声を出すのに
躊躇などしなかった
「ミンギュ君！！」
驚いて周囲を見て声の主を探した彼
お願い、私を見つけて
「ありがと！！」
目をつぶって、
彼に届くように精一杯の声を出した
届け、
届け、
目をゆっくり開けると
彼は私をしっかり目で捉えていた
良かった、
きっと伝わったのだろう
私の言葉に応えるように
片手をあげて、ひらひらと手を振り
校門へと歩いて行った
オレンジ色の太陽が
目を細めてしまうほど街を眩しく照らした
午後5時過ぎの放課後
それは全部きらきらして見える
青春の一コマである
今彼に対して抱く感情は
恋か友情かは分からないけど
ただ嬉しくて、
何か幸せで、
そのよく分からない何かを
今は大切にしようと思った
次の月の第1週
2年6組の放課後清掃が終わり
電気も消された教室にいたのは
1人の背の高い青年
彼は掲示板に貼られた新しい図書だよりを見ていた
テーマは「青春」
どこか素朴だけど、
親しみやすく柔らかな文章で
心が惹かれた
MG「…」
青春か、良いな
来月は何だろう、また見に行くか
教室を出て
図書室がある3階へと階段を登った
どことなく明るい足音を鳴らして
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作者名：89 | 作成日時：2023年4月8日 15時
