le petit cadeau (ページ28)

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「ミンギュ君、
　暇ならこれ手伝ってくれない？」

MG「暇じゃないよ」

「…」

何にもしてない癖に
それなら此方にも策がある

MG「お前、それは卑怯だわ」

「まだ何も言ってませんけど」

MG「それはマジでやめろよ」

「…」

MG「これ本棚に戻せば良いんでしょ」

私の兄であるチェ・スンチョルは
彼の部活の先輩でもある為
頭が上がらない存在なのだ

私が最終兵器として使うのが
「兄への告げ口」である

あのシスコンを後ろ盾にしている私に
勝てると思うなよ、ミンギュ君

怠そうに整理しに行った彼を見送り
私は今月の図書だよりの制作を始めた

毎月第1週にクラスの掲示板に
貼られる図書だより

次の月迄に残された時間は少なく
早く完成させなければと急いでいた

MH「Aちゃん、お疲れ」

「ミョンホ君、お疲れ」

文章が思い浮かばず
パソコンと睨めっこしていた時
同じクラスのミョンホ君がやってきた

読書という共通の趣味があり、
一気に意気投合した

MH「前におすすめしてくれた本
　凄く面白かった、言葉も綺麗で…
　すぐ読み終わっちゃったよ」

「ほんと？良かった」

MH「この作家さんで
　他にも良い本あったりする？」

「ある！ちょっと待ってて…」

「これ、前お勧めしたやつとは
　雰囲気変わるけど読んでみて」

MH「ありがと、
　 …ミンギュ、ちゃんと働いてる？」

「ああ、うん」

ミョンホ君は
ミンギュ君の友達である

性格が正反対に見える彼らだが、
何処かで良いバランスを
取っているのかもしれない

私は純粋に素敵な関係だと思った

MH「虐められたら僕に言ってね」

「大丈夫だよ」

この後部活あるから、と図書室を去っていった
ミョンホ君を見送った

ミョンホ君から癒しを頂いた後

デスクに戻ると
ミンギュ君が私の椅子に座って
パソコンを見ていた

MG「これ書いてるのお前だったんだな」

画面を見ていた彼の
表情は見えなかった

図書便りを全クラスの掲示板に載せているが
中々見る人なんていない訳で、

それに自分の書いた文章を誰かに
見られている場面を見たのが初めてだった私は
恥ずかしさで顔が熱くなった

どうしようもなく恥ずかしくて、
咄嗟に身体が動き彼の前に出て
画面が見えない様にした

「やめて、恥ずかしい」

座っていた彼は私を見上げた

MG「何で？」

「良いから、」

MG「はいはい」