Something Blue MG ページ27
MG「本当運動できないんだな」
図書室の扉を大きな音出して入ってきた彼は
入るなり私に向かって悪口を吐いた
「見られてたか…」
MG「欽ちゃん走りかと思ったわ」
「それは言わないのが優しさでしょう」
まじあれウケたわ、
なんて人が頑張っている所を
馬鹿にする彼に罰が当たれば良いと思った
小学校の時から走るのが苦手で
運動会ではぶっちぎりの最下位が
私の定石だった
走り方が少し変わっていて…
悔しいが彼の言う通りの走り方である
体育は他クラスとの合同授業
普段とは違い身体計測シーズンだった為
人生で一番嫌いな徒競走が行われた
MG「逆にどうやったらあんな走り方
出来るのか分からないわ…」
「…」
対してミンギュ君はスポーツなら何でも
できて、リレー選手にも選ばれる程だった
小学校の頃は足が速いだけで
クラスの女子の人気を集めるところだが
彼は足の速さだけでなく
整った外見、高い身長、気さくな性格で
学校全体の女子を虜にしていた
彼との関係は幼馴染と呼べるかもしれないが
皆が思い浮かべるような仲の良いものではない
たまたま小学校が同じで、
私の兄と仲が良いだけのそんな間柄だった
高校でも私は1組、
彼は6組とクラスが離れている
唯一体育で合同授業となり、
彼を見かけるのはその程度である
ほぼ話したこともないくらいだし
ただお互い幼い頃から知っているだけ
最近話すようになったきっかけは
よく分からない
彼の気まぐれか
図書室に来る様になり
一言、二言、
少しずつ話すようになった
でも私達の関係に"友達"という
名前は付くことはない
"知り合い"が妥当だろう
稀に彼が図書室にフラッと現れて
8割彼が話して帰るだけ
でも昔から同じコミュニティの中にいるせいか
会話の中にぎこちなさはなく、
距離感が丁度良く取れている
他の人は知らない、
私と彼のなんとも言えない関係性
同じ小学校ということすら
皆知らないだろう
言う必要も無いからそのままにしている
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：89 | 作成日時：2023年4月8日 15時
