le petit cadeau (ページ24)

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結婚して3年が経つ
夫の浮気を知ったのはつい先日の事

どっかの若い女の子と
腕を組んで街を歩く見知った顔

それを目撃した時は
偶然か否か、

会社の後輩のスンチョルと一緒に
営業先に挨拶した後の帰りだった

夫とは間接的に知り合いである
スンチョルはすぐ気づいた

「先輩、あれ…」

『…』

「旦那さんですよね、
　あれ良いんすか、」

『スンチョル、信号青になってる』

「…」

旦那とは
毎日嫌でも顔を合わせている

何故浮気したのか
あの女の何処が良かったのか
問い詰めたいことは沢山あった

けど、
私が知らないフリをすれば
今まで通り幸せな日々が続くのだ

旦那の家族にも良くして貰い、
それなりに裕福な暮らしを送っている

それを壊したくなかった
1番求めていた安心を手に入れられた筈なのに

知らないフリを続けて早1週間

夫の行動に不審な点が多いことに
気づいた時も多々あった

気を緩めた瞬間に自分の感情に翳が差したが
今までとは変わらない生活を送った

「どうして先輩が
　辛い思いしなきゃいけないんですか

　どうして何も言わないんですか

　…どうして、」

辛そうに私を見る彼
私は言葉を失った

自分さえ、
我慢すれば良いと思っていた

旦那も時期に
他の女に飽きて戻ってくれると信じていた

不平等という言葉が胸に刺さった

スンチョルが言ったその言葉に
自分自身は本当にその選択をして良かったのか
考えさせられた

私は、幸せなの？

『…』

「正気に戻れば
　先輩に会いたいとか好きだとか
　そう思わなくなるはずです」

「…俺が入る隙が無かったら、
　あんな男に引っかからなかったら、
　先輩が苦しまなかったら、」

「先輩を見るだけで
　俺が辛くなることも無いんです」

私は、

今、

幸せに決まってる
どうして辛い思いなんてするもんか

『今日の事は無かったことに、

　今まで通り貴方とは
　会社の後輩として接するから、
　そういうことにして』

「…」

俯いた彼の事が見れなかった

『お疲れ』

そのまま彼の前を通り、
逃げるようにして家に帰った

振り返ると、
反対方向に向かって歩く彼の背中

心が痛くなった
　