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PM4:41
部屋をノックする音が聞こえた
『コーヒー淹れるけど、飲む？』と彼の声
「ありがとう、これだけ終わらせてから行くね」
『分かった』
来週する重要なプレゼンの準備で
私は朝から一日中部屋に篭っている
社会人5年目の夏を迎える
大分この仕事に慣れてきて
最近は新人の教育係も任されるようになった
今回の一件が終われば、
当分忙しくはならないだろう
"SG「先輩！この資料のチェックお願いします！」"
スングァン君からの連絡
彼は今年入社して早々、
巧みな話力で先輩達を虜にした天才である。
教育係の私に懐いてくれて、
飲みに行くことも何回か
"SG 「あと、今度お家遊びに行きたいです！
ヒョンのコーヒーが恋しい… 」"
彼と長い付き合いだったことを知ったのは最近
世間は狭いという言葉がぴったりである
彼と知り合って8年、付き合って3年が経つ
大学で出会ったのがはじまり
共通の知り合いが彼に手を振ってて、
私はなんとなく会釈して彼の前を通った
見知らぬ人にも関わらず、
彼は柔らかい笑顔で『こんにちは』と
小さく会釈してくれた
それが初対面
その時は
優しくて良い子だなとしか思ってなかったが
趣味が同じだと知って
カフェ巡りしたり、写真も撮りに行ったり
いつのまにか男の人として意識して
好きという感情に気づいた
後に彼と両思いになるなんて
想像もしなかっただろう
なんて、今までのことを思い返していくと
さっきより断然やる気が出てきた
「…よし、」
大体この辺でいいかな
良い所で区切りを付ける
頑張った、わたし
それにしても背中と腰が痛い
一日中座りっぱなしだったからな
腕をあげて体を伸ばす
ぐううとお腹の音
集中が途切れて、
少しお腹が空いていたことに気づく
パソコンの電源を消して、部屋から出た
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作者名：89 | 作成日時：2023年4月8日 15時
