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いつのまにか戻ってきていた須貝さんから河村さんは救急セットを受け取り指の処置をしてくれた。いつもは賑やかなオフィスが今は静寂に包まれていた。怖くて周りの反応を見ることができない。
「…川上」
伊沢さんに声をかけられる。でもそちらを振り向くことができない。
「…川上、ダメそう？」
ずっと僕の手を握っててくれてる河村さんにそっと聞かれる。僅かに首を縦に振る。
「撮影部屋行こうか。一回落ち着こう。」
河村さんにそう言われて誰もいない撮影部屋に行く。扉が閉まる直前に少しだけ見えた伊沢さんの顔はひどく悲しそうだった。
「川上。どうしたの？」
撮影部屋のソファに座り、河村さんと向かい合う。そう問いかけられて、答えに迷う。何度も言いかけて、口を閉ざして、言葉につまる僕を河村さんは根気強く待ってくれる
「…血が、出ているのをみて。」
「うん。」
なんとか言葉を絞り出していく
「痛くて…。リスカと同じに、感じて。…目眩がして。切ったら楽になる。自分の存在が、確かめられる…。そう思って。気づいたらカッターを、握ってて…止まれなくて。」
ぐちゃぐちゃな言葉ばかり並べる。それでも河村さんは支離滅裂な僕の言葉を聞いてくれる。
「ダメだって。分かってた。…みんないる。軽蔑されたくない。でも…でも切りたかった。どうしても…辞めれなかった。」
後からやってくるどうしようもない後悔。でもどれだけ悔やんでももう遅い。みんなに見られた。もうクイズノックに居られない、そう思うと絶望しかなかった。河村さんにもきっと軽蔑されただろう。そう思うとつらくて顔をあげられない。
すると河村さんが、
「…辛かったね」
と言って、僕の頭を撫でた。
「リスカなかなか辞められないよね。今週は仕事忙しかったしね。川上ずっと寝ずに頑張ってたでしょ。ストレス溜まっちゃうよね。よく頑張った。えらい。」
軽蔑されて見放されると思ったのに河村さんは優しく褒めてくれた。えらいえらいとまるで子供に言い聞かせるように言ってくれた。
「…ッ！なんで、なんで褒めるんですか。リスカやめれなくて、みんなの前で。僕が弱いから。僕がだめなのに。なんで…なんで！」
子供が癇癪を起こすようになんで、なんでと半泣きになりながら喚く。
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美舞 - はじめまして。全て読破しました。what〜のkwkmさんめっちゃ尊いです。ただ甘甘じゃなく、同性と言うハンデまで考えていらっしゃるの凄いなと思います。このあとkwkmさん指輪外し忘れて写真とかに写ってファンに祝われるとこまで見えました。素敵なお話有難うございます (2020年4月17日 11時) (
レス) id: a29888162a (このIDを非表示/違反報告)
鳩麦_烏龍 - ぽむさんの書くkwkmさんほんっっと好きです……。特にkmさんが敬語使う人とのcpがめっちゃ好きで……とにかく赤面するkmさんもっとください。耳まで真っ赤だとさらに加点です(どこからの目線) (2020年4月16日 8時) (レス) id: ef047e8597 (このIDを非表示/違反報告)
ToriMaru(プロフ) - はじめまして！全部のお話読ませて頂きました！もうなんというか…みんな尊い…大好きです、全員好きだけど特に川上さんがやばい…素敵なお話をありがとうございます(o^^o) (2020年4月13日 6時) (レス) id: c632a205bf (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 鳩麦_烏龍さん» 甘やかされるkwkmさん良いですよね！！同士の方が居てくれて嬉しいです…！優しい文章だなんて…ありがとうございます！期待に応えられるよう精進してまいります(*´∀｀*)これからもよろしくおねがいします！ (2020年4月11日 17時) (レス) id: 713ab6781c (このIDを非表示/違反報告)
鳩麦_烏龍 - 兄組に甘やかされるkwkmさんめっっっちゃ好きです。同士…！！((( ふんわりと優しい文ですごく読みやすいです(語彙力)。これからも更新頑張ってください！楽しみにしています(^ ^) (2020年4月11日 7時) (レス) id: ef047e8597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむ | 作成日時：2020年4月3日 23時
