雪の申し子【炎炎ノ消防隊・新門紅丸】

一冊の手帳 ページ21

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「やっぱり聖典を手に入れるには
あんたを倒さなきゃならないようだ…」

「これまで大人しく身を潜めて
いたのにずいぶんと
大胆な行動に出たな。」

「これ以上真実を隠されるのは嫌でね…」

「来い」

「その喧嘩、
俺も混ぜてくれ、面白そうだ。」

『久しいのう、バーンズ大隊長！』

「新門大隊長に、お嬢ちゃん…」

「どうした？
かかってこいよ。」

クル

「今は争っている場合ではない…
話を聞こうではないか。」

「オイ！！
最強さんを見て急にビビってんじゃねェよ。」

「大隊長の中ではいい勝負に
なるのはあんただけだと思って
いたんだけどな。
(灰島にもヤバイのがいるらしいが…)」

「やらねェなら何しにきたんだ？」

「聖陽教の秘密を探しにきたのだろう？
その手がかりを渡しにきた。」

「手がかり？」

『追いついていけんの。』

「話が見えねェな…
第1の大隊長がなぜここにいる？
そもそもテメェら知り合いなのか？」

「バーンズは聖陽教の表と裏の
繋ぎ役だったんだよ。
昔はこいつによく面倒を見られてた。
あのとき、
"アドラリンク"をするまではな。」

『"アドラリンク"！！
確かシンラ少年が話しておった。』

「ああ、第8のシンラも言ってたな…」

「"天照"で"焔ビト"が
大量発生したときのことだ。」

「"天照"で事件？
そんな大層な話聞いたことねぇぞ。」

『ワシもじゃ、
"天照"で"焔ビト"が大量発生じゃと？』

「当たり前だ…
"天照"は安全なもの
じゃねェといけねェんだ。
表沙汰にできることじゃない。
だからこそ、
俺たちみたいな汚れ役に
出番が回ってきたのさ。
あの石は今でも？」

「"アドラ"から持ち帰った石か？
今でも無酸素状態の瓶の中で
燃え続けているよ。」

「あのとき見た高次元の存在…
聖陽教は重大な何かを隠してやがる。」

「『……』」

「お前が知りたい
真実の手がかりはここにある。
これを見てみろ。」

それは一冊の手帳じゃった。

「聖陽教 教祖
ラフルス一世の妻の手帳だ。」

「妻の手帳？
俺は隠された聖典を探しにきたんだぜ…」

「そんなものは存在しない。」

「なんでそんなことを知っている？」

「お前たち同様私も長い間
聖陽教を調べてきたからだ。
あの"アドラリンク"をした日からな。
あの世界が私の全ての価値観を破壊した…
この世界への違和感を拭い
真実を知るため調査を始めたのだ。
その結果、
たどり着いたのが一冊の手帳…」





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