【ntj組】店員様は女神様。【pn】 (ページ17)

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『んー…忙しいのかな』

　メッセージを送ったのが前日の仕事帰り。今も仕事を終え電車に揺られているのだから、おおよそ24時間が経過した訳である。私からのメッセージに、既読はまだついていない。面倒な彼女のようにはなりたくないが、返信が無いことがなんとなく気がかりだった。

　兎にも角にも、まだ一日。返信が来なくとも不自然な期間では無いのだし、気にかけても仕方が無いからと晩御飯の内容を思案しながら玄関の鍵を解錠した……かった。
　鍵を差し込み回しても、なんの手応えも得られない。反対向きに回してかちりと音が鳴ったので、ドアノブに手をかけたところ扉は開かなかった。しかし、もう一度始めの向きで鍵を回すと、扉はいとも簡単に開いてしまった。

　己の不用心さを恨みつつ廊下を進み、リビングに面した扉のドアノブを引く。ぺいんとさんと目が合う。硬直する。息をのむ。目を閉じて、開いて、ぺいんとさんと目が合う。
　
　
「お疲れ様でした。無理に働かれなくとも良いはずなのに、こんなに遅くまで……僕、本当に感動しちゃいました」

　リビングの床に、大人しく正座をして座り込む彼がいた。私を見つけや否や立ち上がり、瞬く間に一歩先まで距離を詰めてくる。
　足がすくみ、腰が抜ける。手にフローリングの冷感が伝わり、体が芯の中まで冷えた。