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(あ、私、食べられちゃう)
そんな危機感が脳裏に浮かぶも、身体は動かない。私がただショッピくんの頭を見つめていると、膝に鋭い痛みが走った。歯が当たっているのだ、とすぐに理解する。
ジュルル、ちゅ、ピチャ、と、水音とリップ音が交互に響く。私のふくらはぎに、血とも涎とも判別できない液体が伝うのが分かった。ゾクゾクと何とも言えない感覚が背筋を駆け抜けていく。されるがままで何も出来ない私は、ただぎゅっと目を瞑って耐えていた。しばらくそうしていると、最後にもう一度、舌が傷の上をなぞり離れていった。
終わったのか、と、恐る恐る目を開く。顔を上げたショッピくんは、口の端に僅かに血をつけたまま、自分の唇を舌でなぞった。
「Aちゃん、甘くて美味しいなぁ。なぁ、何でこれ、隠してたん？」
『し、知らないよ、私美味しくないもん』
「美味いよ、Aちゃん嘘つきや。なぁ、他のとこも甘いんかなぁ⋯⋯その涙、美味しそうやなぁ」
ショッピくんの手が、ゆっくりと私の顔に伸びてくる。怖い、嫌だ、離れて。そう言いたいのに、喉が震えて上手く声が出せない。
カァッ、カァッ
頭上で、魔界鴉の鳴き声と、枝の揺れる音がした。そこでようやく身体の自由を取り戻し、私は跳ねるように立ち上がりながら彼の身体を力一杯押し退けた。痛みを堪えながら、振り返ることなく一生懸命飛ぶ。森を抜け、家までの道をただがむしゃらに進んだ。
家のドアを開けると、お母さんがびっくりした顔でこちらを見て、何か言った。私はそれに酷く安心し、大きな声を上げながら涙を流した。意識が段々、闇の中に吸い込まれていく。母の胸に抱かれながら、私はそっと目を閉じた。
この日初めて、私が他の親族達よりも人間の遺伝子を強く反映させている悪魔なのだということが明らかになった。両親は私を連れて引っ越し、私はその後、小学校に通うこともなく、家庭教師に勉強を教わりながら、半分引きこもって生活することになった。
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
