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「そうだ、って言うたらどうするん？」
その問いかけは、嘲りの意味が込められたものだった。この状況でお前にできることなどないだろう、と言いたいのだろう。校舎の壁の冷たさが背を撫でる。確かに絶望的な状況だ。けど、相手が油断してる今なら、勝機はある。私は、頭脳の中の知識の本を必死に捲った。短くて、今の私にも使える魔術は⋯⋯ごくり、と喉を鳴らし、目を閉じてから唇を開く。小さく呪文を唱えると、瞼越しに眩い光が2人の間を割くように現れた。
「なっ⋯⋯！」
声と、草を踏む足音が2回。多分、魔力の気配と視覚的な刺激に驚き、距離を取ったのだろう。彼の気配が少し遠のいたのが分かった。光が消える前に、私は素早く翼を広げ地面を蹴った。窮地に追いやられていたからか、いつもよりもずっと速く身体を動かせた。
がむしゃらに飛んでいると、下校する悪魔の集団を見つけることができた。うまく紛れ込みながら、周りを見渡す。紫の帽子はどこにも見えない。まだ心臓がどくどくとうるさい。急いで家の扉を開き体を滑り込ませ、先に帰っていた両親に適当な言い訳をして部屋に篭る。部屋の電気は何となくつけられず、制服のままベッドに倒れ込んだ。
「疲れた⋯⋯」
枕に顔を埋めつつ、思い出すのは校舎裏で起こったあの事。気を抜くと、頬に爪が滑る感覚を思い出してしまい、背筋に鳥肌が立つ。
「まさか、《ショッピくん》がバビルスに入学してたなんて⋯⋯」
よく見えなかったけど、彼の胸元には私と同じコサージュが付けられていた気がする。同級生なのかもしれない。そうなると、これから関わる機会が全くない、という風には事は運ばないだろう。そもそも、彼は私の遺伝について知っているのか？ 知っていたとして、周りに言いふらされでもしたらどうしよう。そうでなくとも、彼とどうやって関わればいいのか⋯⋯。最初の一歩からこうもうまくいかないと、段々憂鬱な気分になってくる。
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
