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生徒達の動きを敏感に察知したのか、巣を守る怪鳥達が甲高い鳴き声をあげ旋回する。
私が選んだ囀り谷コースは、小さな山が点在しており、真っ直ぐに飛ぶ事が難しい形状になっている。山の上を行こうにも、怪鳥がぐるぐると輪を描き、近付こうとする者を食ってやろうと嘴を尖らせて待ち構えているので難しい。それでも、何とか周りとはぐれる事なく、集団の後ろの方をキープしながら進む事ができていた。
事故は唐突に発生した。一際大きな怪鳥が目にも止まらなぬ速さで突進してきたのだ。上がる複数の悲鳴が、突風にかき消される。やっとの思いで後ろに避け、咄嗟に閉じた目をどうにか開くと、「うわぁあっ」と、大きな叫び声が下から聞こえた。
「た、助けてぇ！」
チーノくんだ。彼が落ちた先には、大きな植物の群が見える。よく目を凝らしてみると、その花弁は巨大な口のような形になっている。チーノくんは運悪くそれの中に着地してしまったようで、既に下半身が飲み込まれかけていた。
「何あれ、格好悪い」
「あれじゃあ高ランクは夢のまた夢だろうな」
彼を横目に、クラスメイト達はさっさと前へ飛び去ってしまう。周囲には嫌な笑い声だけが残った。チーノくんは手をバタバタと振りながら植物から抜け出そうと抵抗しているが、花の方は獲物を離すまいと蠢いている。このままでは、彼が飲み込まれてしまう。そんな危機感に突き動かされるまま、私は方向を変え、谷底へと一直線に向かった。
「どこいくねん！」
誰かの制止の声も、今は無視しなければならなかった。
飛んでいる途中、崖に生えた木の枝を折る。ラファイア、と唱えると、小さな炎が枝先に灯り、松明もどきを作る事ができた。失敗したらどうしようかと心配したが、どうにかしたいという気持ちが通じたのか、炎が頼りないながらも確かに木肌を焦がしている。他の植物達の攻撃を掻い潜り、目標目掛けて松明を放り込む。クルクルと回る枝は幸運にも火を絶やすことなく、植物の葉の上へと着地した。焦げ臭い匂いが立ち込め、熱に慌てた魔植物が何度も葉を地面に叩きつけるように動く。よほど驚愕したのか、口に咥えられていたチーノくんが、ぷっとガムのように少し先の方へと吐き出された。
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
