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握り拳から火が出そうな勢いで、チーノくんは声高らかに語る。チラリと横を見てみると、ショッピくんは相変わらずゲームに夢中になっている。どころか、心なしか冷めた目をしているようにすら見える。熱い友情を築いた仲には到底見えないが、反論しないということは満更でもないのだろうか。
『⋯⋯つ、つまり？』
「つまり、Aさんも僕らの師団に入らへんかなって」
『⋯⋯え？』
「⋯⋯は？」
二つの声が重なる。ショッピくんはようやく顔を上げたと思うと、物凄い剣幕でチーノくんを睨みつけていた。
「⋯⋯おい、どういうことや。聞いてへんぞ」
「言ってへんしな⋯⋯って、すまんすまんすまん、殴らんといて！ 顔だけは勘弁！」
胸ぐらを掴むショッピくんの手から逃れ、チーノくんはへなへなと私の腰へと縋り付いてくる。
「Aさぁん、ショッピが乱暴してくるー！ 助けてぇ！」
「こらチーノてめぇ、何しとんねん！」
『ちょっ、と落ち着こ、ね？ 怖いから⋯⋯！』
「⋯⋯チッ」
ショッピくんが腕と腰を下ろすと、チーノくんは立ち上がり、膝の埃をぱんぱんと払った。こちらをくるりと向いた顔には涙の跡なんて一つも見えず、むしろ爽やかさすら思わせる笑顔を携えていた。
「ねっ、いいでしょAさん。僕、Aさんは我々師団にぴったりやと思うんですよ！ ショッピとも知り合いなんでしょ？」
『⋯⋯それ、は⋯⋯』
隠している訳ではないが、何とも答えにくい質問だった。目を逸らす私に構わず、ずいっとチーノくんの顔が近付いてくる。
「それに、僕、Aさんともっと仲良うなりたいんです」
囁くように小さな声で告げられた言葉。生徒達の歓談の声に揉まれて、私の耳に辛うじて届く。
「おいチーノ、今なんて⋯⋯」
「ほらほらAさん、どうですか？ 返事聞かせてくださいよ！ ショッピも、Aさんが入る言うたら文句ないやろ？」
「⋯⋯」
無言で見つめられ、うっ、と喉が詰まる。だって、活動内容も何もかも知らない師団に、簡単に入ることなんてできる訳ないじゃないか。確かに、ただでさえ顔見知りの少ない学校で、2人も知人がいるのは心強いけど⋯⋯。と、思考を巡らせていると、あることに気がつく。
『⋯⋯そもそも、2人は団長さんにスカウトされて入ったんだよね？』
「それが何か？」
『じゃあ、私も団長さんの許可、貰わないといけないんじゃ⋯⋯』
「⋯⋯確かに」
「Aにしてはええ勘しとるな」
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
