BITTER SWEET (ページ8)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:20,849 hit

8 ページ8

.

『…失礼します』

YG「………」

今となっては、ユンギさんとなにかを話すこともなく、必要最低限の会話だけになった。

わたしは今、彼のメイクをしていてこんなに近い距離にいるのに、心の距離はとてつもなく離れているんだろうな、なんて思ったりして。

それが余計にわたしをむなしくさせる。

…それに、ユンギさんが想っているのは、ミナオンニだから。

オンニを愛おしそうに見るユンギさんは、すごく穏やかな表情で。

2人で楽しそうに話すところもよく見るし、オンニも好きなのかな…。

もう付き合ってるのかな…。

そんなことを考えてはひとりで落ち込んで、の繰り返し。

『終わりました。』

YG「……ん。」

色々考えながらもメイクは完璧に終わらせて、ユンギさんに声をかけると、彼はそそくさと立ち去った。

…わたしのこと、相当嫌いなんだろうな。

あらためてそう思うと、やっぱり心がズキズキと痛んで、悲しくなってくるけれど。

しょうがないよね、と言い聞かせて、なんとか自分を奮い立たせる。

TH「ヌーナ。」

メイク道具をまとめていると、また今日もやってきた。

『…何よ、からかいにきたの？』

TH「イヒヒ。」

テヒョンは、ソユンがメイクを担当していて、あまり接点はないけれど、何故かわたしによく絡んでくる。

四次元と言われるのがよくわかるほど、テヒョンはやっぱりとても不思議な人。

それでも周りのことをよくみていて、その変化には敏感で。

わたしのユンギさんへの気持ちも、何故かテヒョンには知られてしまった。

そのことをからかわれてばかりだったけれど、わたしが落ち込んでいるときは、スッと横にきて茶化さずに慰めてくれて。

その優しさに、いつもすごく救われてる。

なんて、本人には絶対に言わないけどね。