BITTER SWEET (ページ14)

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TH「……ヌナ、どうしたの？」

心臓の音があまりにもうるさくて。

テヒョンの呼びかける声さえも入ってこない。

………何で、どうして。
そんな言葉しか頭にはうかんでこなくて。

カバンに無造作に入れられていたそれは、わたしがよく目にする栄養ドリンク。

これは、いつもユンギさんが飲んでいるもので。

ただいつもと違うのは、パッケージの空白に書かれたメッセージ。

＂体調、気をつけて＂

それは、間違いなくユンギさんの字で。

『………っ…なんで……。』

急に冷たくなったくせに、どうして今更。

出会った頃みたいに、またわたしのことを気遣うようなことをして。

『………っ…。』

どうあがいても、ユンギさんに気持ちを振り回されて、苦しくなって。

それでも……

もしかしたら、わたしのことを嫌いなわけじゃないのかな、って。

馬鹿みたいに勘違いしちゃうんだから。

TH「………ヌナ。」

ユンギさんが分からなくて、わたしの心はもうぐちゃぐちゃで。

テヒョンが横にきたのを感じたけれど、今のわたしはただ涙を流すことしかできなくて。

こんなにも辛いなら、いっそのこと……

『…もう、好きでいるの、…やめようかな…。』

この気持ちを終わりにしてしまおうか。

そうすれば、苦しむこともなくなって、テヒョンに面倒かけることもなくなるよね。

泣いてばかりのわたしに、さすがにあきれちゃうだろうから。

顔をあげれば、テヒョンはやっぱり困った表情でわたしを見ていて。

『……へへ、そうすれば…楽に、な………っ…。』

だからもう大丈夫だよって、気持ちをこめて少し笑って見せたのに。

TH「……だったら、」

言葉の続きを遮るように手を引かれて。

TH「……俺のこと、好きになって。」

テヒョンの腕の中で、ただ驚くばかりだった。