BITTER SWEET (ページ2)

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わたしがユンギさんを好きになったのは、彼に出会ってまだ間もない頃。

それは、新しくBTSのメイクスタッフになり、メンバーやスタッフに挨拶に行ったときのことだった。

PD「今日からメイクを担当してくれるAさんだ。

僕がスカウトしてきた子だから腕は確かだ。期待してくれ。」

『き、恐縮です…。

えっと…今日からお世話になります、Aです。よろしくお願いします。精一杯頑張ります！』

社長がそうわたしを紹介してくれたのだが、ハードルを上げてくれたな…と内心とても心配でドキドキしながら挨拶をして。

でも、そんな心配をよそに、みんなは笑顔でわたしを迎えてくれてとてもほっとしたのだけれど。

しかしそれも束の間、社長がその場からいなくなった途端。

MN「……ふーん。腕は確か、ね。」

わたしを見定めるかのようにじろっと睨みをきかせて、低い声でそう言ったのは、今となっては大好きなミナオンニ。

実は、わたしがBTSの専属メイクスタッフになることを即決したもうひとつの理由が彼女。

かなりの実力者で、人柄もとてもいいと話で聞き、ずっと憧れてきた人。

そんな人がここにいて、一緒に仕事ができるとワクワクしていた。

ところが実際に会ってみると、話で聞いていた人とはまるで別人のようで。

MN「その実力とやら、今ここで見せてくれない？」

まさにヘビに睨まれたカエル。

オンニの視線にわたしは動けなくなってしまった。

そんなわたしに気づいたのかこっちに向かってくるオンニ。

MN「……何固まってんの？

できないなら、あんたに用はないわ。」

そう言った後に鼻で笑われて。

『………』

それが、わたしに火をつけた。

『……できます。

あなたに負けないくらいのメイク、してみせます。』