一本道で迷子 2 (ren.n)

フードコートにて29 ページ29

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夏休みも終わりに近づいたある日、麻里からお誘いが来た。




あれから永瀬とは何もないまま夏が過ぎていった。
祖父母の家に行ったり中学時代の友達と遊んだりしか予定のなかった私は、麻里と連絡を取ったのも久しぶりで、彼女にまだ永瀬のことを話せずにいた。





麻里はひいたりしないだろうか。
あれだけ毎日、先生に失恋したと言い続けていた私が、失恋が終わってすぐに新しい恋をするなんて。

麻里は大切な親友で、たくさん助けられてきて、だからこそ失望されたくなくて永瀬のことを全く話せなかった。

でも、もう中途半端な気持ちではない。
もう誤魔化せないくらい彼に恋をしてしまったから、麻里にもちゃんと伝えなければ。





どうか引かれませんように……









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久しぶりにオシャレして、化粧もしっかり、髪も少し巻いたりして外出する。
麻里と合流して街に出て、お目当てのカフェでランチを頼んだところで、やっと落ち着いて話せる雰囲気になった。






『麻里、、一つ聞いて欲しいことがあるんだけど…
あの、失恋が終わったばっかりなのに何言ってんだって感じなんだけど…
新しく、、好きな人が出来た、かも…』









「え、廉くんでしょ？」









『…………………え、なんで知ってんの！？！？』









「いや、分かるでしょ！ふつうに！」









何日間も心配して意を決して伝えた私をよそに、先に届いていたジンジャーエールのストローをクルクルと回しながら麻里は言った。

驚き焦りながらも、氷の音が綺麗だなーと冷静に考えている自分もいて、やっと伝えることが出来たことと、失望されなかったことへの安心感に包まれる。









「あ、でもAっていうよりは廉くんの方か…」



麻里が小声で何か言っているのに店のBGMであまり聞こえない。
しかし、もう後ろめたさなく麻里に話せることが嬉しくて、そんなことどうでも良かった。





「今どんな感じなの？」

『もう2週間くらい会ってないよ。
最後にあったのが花火大会あった日だもん。
あ、花火大会は行ってないんだけどね』

「え〜〜もう夏休み終わるじゃん！
あしたも部活のあとどっかで宿題するからAも来なよ！」

『い、行かない！
みんなの前だと、喋れなくなるから…』

「……………………かわいいかよ！」







ねぇ、麻里聞いて、
みんなの前だと話せないから行きたくないけど、
でも本当はめちゃくちゃ会いたい…





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