解5-2 ページ26
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紫耀くんからの慌てた電話に急いで店へ戻ると、開店した店内にはカフェ利用のお客さんがちらほらいた。
思い切りドアを開けて皆の注目を浴びてしまって、数分ぶりの冷静を取り戻しながら店長に挨拶すると、店長も驚いた顔で私を見た。
「あれ？Aちゃん今日は休んで良いんだよ？」
『うん！ちょっと忘れ物しちゃって…』
「そっかそっか！
そうだ、あした用事が出来てお店閉めようと思うんだけど2連休してもらっていい？」
『えっ』
今まで5年間いきなり店を休むことなんかなかったのに、と少し疑問に思いながらも今は紫耀くんのことが最優先だと二つ返事で店を出る。
何かあったのだろうか。
明日は平日といえども繁忙期で、稼ぎどきなはずなのに。
信号が赤い間に、助手席に置いた紫耀くんの台本を紙袋に入れながら少しだけ残る心配。
そしてあと少しで高速の入り口だというところで、どこに届ければ良いのか分からないことに気づき紫耀くんにメッセージを送ると、住所とともに「Aちゃん天然だね」と一言返ってきて、恥ずかしいような嬉しいようなどうしようもない感情になってしまい、お店の心配など一瞬で忘れた。
実は夜まったく眠れなかったことも、
店長がいきなり店を休みにしたことも、
５年ぶりに都心へ帰ることも、
今から行くのが紫耀くんの職場ということも、
重要なことはたくさんあったのに、
今からまた彼に会えることが全てを霞ませてしまう。
緩みそうな顔に力を入れながら、高速を飛ばした。
.
5年ぶりの都心は大きな造りは変わらないものの様々なマイナーチェンジをしていて、懐かしい気持ちや嫌な思い出よりも、新しくなったものへの興味が湧いてくる。
紫耀くんから送られてきた住所に向かう途中で見かける、数々の思い出スポットに少しだけセンチメンタルになった。
ここを出る最後に寄ったコンビニ。
学校の帰りに友達と通ったファストフード店。
よく近道をした公園。
お母さんと喧嘩をしたときに逃げた本屋。
お母さんの、仕事場。
そして、
実家の高層マンション。
ああ、色々思い出してしまった。
でも前よりも明るく考えられていることに自分でも少し驚く。
お母さん、元気かな
.
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ぱぴこ(プロフ) - reyuさん» いつもありがとうございます！お待たせしてすみません(泣)reyuさんのコメントに本当に励まされてます。ここらで一気に紫耀くんと距離を詰めていければと思います！これからも見守って下さい！宜しくお願いします！ (2020年3月11日 6時) (
レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
reyu(プロフ) - こんにちは！更新すごく嬉しいです(^^)これから紫耀くんとどんな展開が待っているのか…気になります！やっぱりぱぴこさんの作品は柔らかい雰囲気でとっても好きです！！これからも応援してます〜！ (2020年3月7日 16時) (レス) id: 3afe25acba (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - reyuさん» いつもありがとうございます！2作目なので公開するのがドキドキでしたが、嬉しいお言葉ばかりで元気が出ました（ ; ; ）こちらのお話でも、よろしくお願いします！ (2019年11月22日 22時) (レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
reyu(プロフ) - ぱひこさん！新作の公開とってもとっても嬉しいです！長いなんて全く思わないです！ぱぴこさんの丁寧な文章なら、いくらでも読んでいられます！突然すみません（笑）けどほんとに大好きなので！こちらの作品も楽しみにしています(^^) (2019年11月22日 0時) (レス) id: 508a3fc7a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年11月18日 21時
