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「センターお疲れ様です」
なぜタバコを吸っているのかは聞かずに労いの言葉をかけると、先輩は携帯灰皿にタバコを捨ててこちらを見た。
『なんで吸ってるか聞かないの？』
驚いた表情には疲れが見え、普段のキリッとした彼女はどこへやら、緩みきった雰囲気をまとった先輩は携帯灰皿をジップロックに封印する。
それをさらに別のジップロックに入れてポーチに納めるところを見るに、先輩は優等生を捨てる覚悟まではないようだ。
「いつから吸ってんすか？」
『ここ1ヶ月かな。年明けてから』
そう言いながら飲むヨーグルトを一気飲みし、タブレットを噛み臭いを消すことに必死な姿は、幼い子供がイタズラを隠すのに一生懸命な様子に似ていた。
きっと疲れたんだ。全てに。
優等生も勉強も、襲い来る毎日に。
『冬休み、永瀬に会えなかったから』
次は俺が驚く番だった。
…今なんて？タバコに手を出したのは俺のせい？
『いつも永瀬と会ったら嫌なこと全部浄化できてたのに、冬休みだから会えなかったからから。
見つかっちゃったし、もうこの際どうにでもなればいいや。
永瀬、ずっと好きだった。
あ、振ってくれて大丈夫だよ。
永瀬くらいになると女の子選び放題でしょ』
何を言ってるんだこの人は。
俺は1年の時からずっと好きで、先輩に会うためにここにサボりにきて、先輩に追いつくために勉強だって頑張って、まあ、校則を全て守ることは出来なかったけど、それでも俺の高校生活全てを捧げたのは先輩だ。
あ〜全部捨てて楽になりたい、と再び空を仰いだ先輩の口を塞ぐ。
痛々しい先輩を見ていたこの数分で募った愛おしさを、全て余すことなく伝えようと深く深く口づける。
「まっず…。タバコにヨーグルトにタブレットとか、味覚大丈夫っすか…？」
こんなに不味いキスは初めてだ。
驚いて俺の名前を呼ぶ先輩を抱きしめると、先輩の強張っていた身体の力が抜けていく。
ずっと好きだったんだ。
求められるならいくらでも癒してあげよう。
きっと本当のあなたは弱くて脆い。
あなたが卒業したら1年間は離れてしまうけど、それでも力になれるなら何度でも言ってやる。
「A先輩、好きです。大好き。」
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短編に手を出しました。
昨日本屋に行ったら赤本が並んでて、ああ受験辛かったなーと思いながら、れんれんに癒されたら何時間でも勉強するわと思った次第です。
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ぱぴこ(プロフ) - ルール嫁さん» ご指摘ありがとうございます！他の作品と同じ設定にしていたため気づきませんでした…申し訳ありません！作品を非公開にしましたので、今後ともよろしくお願いします！ (2019年6月29日 2時) (
レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルール嫁 - 占ツクのルールはご存知ですか？行為は匂わせるだけでアウトです。裏表現があるなら注意書ではなくフラグをたててくださいね。 (2019年6月29日 0時) (レス) id: 64f9aae3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年6月19日 6時
