一本道で迷子 (ren.n) (ページ6)

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失恋6回目ページ6

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「大丈夫だって！詳しいことは何も言ってないの！ただただAが勿体ない子なんだよーって話！」

『ならいいよ～とはならない！！
いいの！私は一生失恋し続けて、一人で人生の幕を閉じるって決めてんの！！』

麻里と小声で言い合っているのを見ながら彼らはずっと笑っていた。
本当に残念な子だとか、死ぬまで失恋とか強者だとか、何とでも言えばいい。
でも最後の一言だけは聞き流せない。

『ちょっと誰？
今失恋してる自分に酔ってるだけって言ったの………』

「あ、廉だよ～。こいつこいつ」

そう指を指されたやつを見ると、さっきの無礼なやつが心底つまらなそうに私を見ていた。
その目は軽蔑と哀れみと失望を含んだような、本当に面白くないし興味もないといった色をしていて、私の怒りをさらに増幅させた。

『………何も知らないくせに。』

その目を見ていることは今の私には不可能で、たくさん言い返したいことはあったけれど一瞬で逸らしてしまう。

ふいっと顔を背けて麻里を見ると、まぁまぁといつもの笑顔でたしなめられた。

「せっかく同級生にこんなイケメンいるんだからさ、前に進みなさいよ」

『私は一目惚れとか絶対ないタイプなの！
たとえイケメンでも同級生でもサッカー上手でも、名前も知らない人たち好きになったりないんだって！』

本当なのだ。
だから中学2年になるまで恋をしたことがなかったのだ。
小学生の間は性別問わずみんなが友達だと思っていたし、中学に入ってからは周りが急に男女を意識し始めたため男友達なんか作れる雰囲気ではなかったし…
だから、先生に出会って、他愛もない会話をしてお互いを知っていく中で恋に落ちてしまったし、それを避けることは恐らく出来なかったのだ。

はぁ、とため息をついて顔を上げると、無礼なあいつが目を見開いていた。
さっきの冷めた目はどこへやったのか、逆に意識が目に戻ってきたのか、急に表情が現れたやつに私も少し驚いた。

「え、自分俺らの名前知らんの…！？」

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