一本道で迷子 (ren.n) (ページ49)

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小話4 side Sho ページ49

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(小話4)

side Sho
日曜日の夜のこと。

「あ、おかえり～～～って、、
ええええええええ！？」

『紫耀くん、ただいま。どう？』

「…………すごく、お似合いです」

『え、なんで丁寧語！？』

「バッサリいったねー！すごく良い！」

『良かった～！まだ慣れないんだけどね』

「あれだね、
俺が家庭教師ついたばっかりのときは
それくらいの長さだったね。前髪も後ろも」

『あ～そうそう！
それからだもん！髪伸ばし始めたの』

「一気に年相応になったな～～」

『大人っぽくいたかったんだよ。先生に追いつきたくて』

「……………Aちゃん、」

『へへ、ごめんごめん！
今はなんとも思ってないから大丈夫だよ紫耀くん』

「うん。」

『も～～、本当に何も思ってないから！
髪切ったのもタイミングが合ったからだし、夏だし！』

「うん。似合ってるよ！最高！」

『でしょ？お風呂が楽しみ！』

そう言って歩いていくAちゃんは、数日前とは別人のようだった。

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ずっと気づいていた。
きっと家庭教師としてこの家に来た初日から、Aちゃんは好意を抱いていてくれた。
男に免疫がないのか、初々しくて清らかで、そんな子が会う度に綺麗になっていって…
これは確実に好かれていると思ったと同時に気づいてしまった。

Aちゃんが僕に向ける視線は恋ではない。
大人に対する憧れであることに。

そして、彼女はこれを恋だと勘違いしていることに。

自分で言うのも何だが、今までかなりモテて来た方で、たくさんの女の子の目を見て来た。
だから分かる。
遠い存在の先輩や芸能人に対する憧れと同じ感情だ。

Aちゃん、早く気付けると良いね…

そんなことを思っていたここ数年。
最近の彼女は少し変わった。
一日で急変しなかったところをみるに、一目惚れや告白されたわけではないようだ。
でも、あれは確実に恋する女の子だ。

おめでとう、Aちゃん
どうか幸せな青春を－－－－

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