夢34回目 ページ34
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いつも通り麻里と購買に行くと、いつものサッカー部集団に会った。
いつもニコニコの高橋くんは、いち早く私たちを見つけて手を振り、
岸くんと岩橋くんは、このリア充が〜と神宮寺くんを小突き、
神宮寺くんは今までよりも はにかんだ顔で麻里に笑いかけ、
廉は私を一度も見ずに、麻里におめでとーと言った。
「やっとくっついたなお前ら！」
「あ〜ついに俺の神宮寺が取られた〜」
「俺らに感謝しろよ〜」
「いや、優太たち特に何もしとらんやん！
俺とこいつの情報交換のおかげやろ！」
「え、A、そんなことしてくれてたの？」
ありがとう！と麻里に抱きつかれてヨシヨシと頭を撫でると、神宮寺くんも麻里の頭を撫でる。
そうか、付き合うというのはこういう事なのか。
キュンキュンを通り越して感動する。
好きな人と結ばれるということは、こんなにも温かくて周りを笑顔にしてくれるんだ。
今まで姉と紫耀くんと暮らしてきたけれど、私は色んなものから目を逸らしてきた。
仲良くしているところはもちろん、二人が喧嘩する姿でさえ、見てしまったら心がざわつくのが分かっていたからなるべく見ないようにしてきた。
でも、これからは受け入れていこう。
姉と紫耀くんの姿をしっかりと目に焼き付けておこう。
私もいつか、この4人のように、幸せを掴めたらいいな。
二人にプリンでも買って帰ってあげるか、と姉と紫耀くんに想いを馳せていると、話題の矛先は私に変わっていた。
「Aちゃん、髪型似合ってるよ」
「俺らのクラスでも話題になってた」
「なんで切ったのー？」
『あーこれね〜…
失恋した、からかな！』
いつもとは違う、
表情を作ろうとしなくたって
私はもう笑顔でいられる。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
