夢33回目 ページ33
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いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの電車に乗り学校へ向かう。
新しい髪型にまだ慣れなくて、風が吹くたび、今までと違う感じがむず痒い。
なんだか色んな人にチラチラ見られているような感じもあって、いつも通りの行動が邪魔される。
話したことはなくても、毎日電車で顔を合わせる人は沢山いるし、割とイメチェンできたと思うし、物珍しいのだろう。
さあ、今日は麻里の話を聞かないと！
そう意気込んで教室に入った私は、クラスメイトたちの驚きの悲鳴と質問責めに、圧倒されたのだった。
「「「「「えええええええええ！？」」」」
「え！菅井さんどうしたの！？」
「A髪切ってる！！！
「Aちゃん全然イメージ変わった！」
「なになに！？失恋！？」
「うわーこれきたわー！！！」
「菅井さすが！」
『…………お、おはよう。ありがと、う？』
「A、どうしたの！！！！」
そして誰より麻里の勢いが凄かった。
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一通りみんなの質問をやり過ごし、やっと麻里と向き合う。
『おはよう！
土曜のデート、どうだった！？』
「じつは…………
付き合うことになりました！！」
キラキラの笑顔の麻里はとても可愛いくて、やったー！と二人で抱き合って、しばらく手を繋いだまま おめでとーと言い続けた。
今までたくさん私の失恋を受け止めてくれた麻里が、好きな人と結ばれて、私は最高に幸せだ！
『どこ行ったの？なんて告白されたの？なんて返事したの？その後どうしたの？』
「ちょ、A落ち着いてって！
ゆっくり話すから〜！」
今日は話が尽きなさそうだ。
−−−−−−−−−−−−
「ジン、おはー、おめでとー」
「あ、廉！あんがと！
いつか廉とさくちゃんにお礼するから！」
「ええよそんなん。お幸せに」
「やっと実ったわー！ほんとありがと」
「ちょ！ジン、廉！集合！！」
「おはよう海人！
あのさ、俺 麻里と付き合うことになった！」
「へ！？まじ！？ついに！？
ちょっと待って！今日情報多すぎ！」
「海人落ち着けや〜」
「廉！見た！？Aちゃん！髪切ったの！
なんかもう、8組みんな騒いでる！」
「………………え、」
失恋して髪切るとか
少女漫画の読みすぎちゃう…？
てか、なに。
急に前髪作って、
後ろも肩まで切って、
なんなん。
綺麗か可愛いかどっちかにせえや。
ほんと、なに。
鎮まれ、この胸の鼓動。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
