一本道で迷子 (ren.n) (ページ27)

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真夜中27回目 side Ren ページ27

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side REN

夜12時、どうしようもなく家から出たくなり、コンビニに行く用事をわざわざ見つけて外に出た。
静まった住宅街をいつもよりのんびり歩き、頭を無にする。
暑いのは嫌いでもずっと冷房を浴び続けて疲れたのか、外のぬるさが心地よい。

コンビニで精一杯時間を使って、それでも帰らないと怪しまれるような時間になり帰路につく。
あーもうすぐ家に着いてしまうと一人で気分を落としていたとき、信号待ちをしている自転車があることに気がついた。

しかもよく見ると髪の長い女性で、かなりの薄着。
腕も足も惜しげもなく晒して荒い息を整えようとしている。

…………いや、菅井A？？

それは毎日一言だけ会話するあいつだった。

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あいつのこと知ったのは高校に入って2ヶ月が経ったとき。
サッカー部に入部して数週間、同学年の女子マネージャーが入ってきた。
見た目も良い、性格も良い、媚びない、そんな彼女はすぐに打ち解け、女子に警戒心の強かった俺らもすぐに仲良くなったし、彼女もマネジャーとしてしっかりと仕事をこなしていた。

そんな彼女を部活以外で見かけるとき、いつも隣にいる女子。それがあいつだった。

ロングに、前髪を作らずに耳にかけ後ろの髪を上だけ小さくお団子にして結ぶあいつは、1年の中では少しだけ大人びて見えていて、綺麗だけど近寄りがたい観賞用だと、男女問わずに密かに人気だった。

ある夏の日の放課後、もうすぐ部活も終わるような、帰宅部は全員帰っている時間。
たまたま教室に忘れ物を取りに行ったときに、見てしまった。

誰もいない夕暮れの教室。
窓際の席にぽつんと座り、静かに涙を流す姿。
白い肌がオレンジ色に染まり、黒い髪とキラリと光る涙がとても美しかった。

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