彼女にとってこの世界は狭かった。 (ページ16)

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お食事ページ16

トントン
マルコ「入るよい」

　両手が空いてないため、体て押し開けながら入っていく。キィ……。

ハルタ「それなに？」

マルコ「卵がゆとリンゴジュースだとよい」

ハルタ「ふ～ん。僕が食べさせていい？」

　その言葉を聞いたマルコ隊長は、あまりにも意外な発言に思わず、驚きの表情が顔に出てしまった。

ハルタ「そんなに意外？」

はっとしたマルコは、「そんなことないよい」と、まるで何もなかったかのように笑顔を顔に張り付けて、普段のように振る舞う。

　お盆を近くの机に置く。小さな鍋の中身を深皿に移す。そして木で作られたスプーンで、少女の口元にお粥を運ぶ。ハルタ「あーん」して？
少女は一瞬躊躇して、眉をよせ、肩を落としながら諦めのため息をついた。ハァ……。
　口を開け、お粥を口に含んだ。カミカミ……ゴックン……。

ハルタ「どう？」

　なにも言わない、少女……。
　うつむき、動かず、
　なにも言わず表情一つ崩さない。
それに、耐えかねたハルタが、
「美味しくなかった？」
その言葉にビクッとした少女。どうやら、
今の対応は間違いだったようだ。

ハルタ「ジュース飲む？」飲まない？

　ただでさえうつむいてた顔がますます頭を垂れてしまう。
　どう対応したらいいか迷い、オロオロするハルタ隊長。助け船を出してくれる人は誰もいない。
　なぜなら、マルコ隊長はいつの間にか席を外してしまったからだ。気をつかったのか？はたまた用事があっていなくなったのか？たった今、この部屋には、ハルタと正体不明の少女が一人……。
この部屋には、たった二人しかいない。
　気まずい、すごく気まずい。