56個目の扉＊ ページ13
浅野side
───“だったら…!!そう、思ってんなら!!良い加減私がお前の事好き過ぎて困ってる事に気付いてよ馬鹿っ…!!”
Aが言った先の言の葉が、頭の中で木霊する
好き、過ぎて…?……誰が?誰を…?
Aが………、僕を……?
…………
……………………、あぁ、成程、彼女なりの情けか
僕が、あまりにも可哀想に彼女の眼に写ったんだろう
この儘だと、僕が惨めだと思った彼女なりの
だとしたら、僕が返すべき言葉は決まっている
「……A」
『っ………ん』
キュッと彼女が口を引き締め顔を上げる
先程ぶつけた額は少し赤くなっていた
覚悟を、決める
「同情なら、やめてくれ」
「この儘だと、より惨めになる」
『…………は?』
「覚悟は出来ている。フるならフッてくれ」
Aの目を出来るだけ見て、想いを伝える
仮令どんなに良い格好を付けたとしても、冷静を装ったとしても
ドクン、ドクンと囃し立てる心臓
この鼓動が彼女へ聞こえてないだろうと判っていても、彼女へ聞こえてないだろうかと気になり、嫌な汗が背筋をなぞる
ドクン、ドクン
不意に両肩に小さな手が乗った
何だと目端にその手を写し───
『……』
「っ……」
───一瞬
一瞬の出来事だった
自身の唇に、驚く程柔らかい感触と、諄い程の甘み
加えて、熱く、溶けて終いそうな熱が伝わり───刹那 離れる
開かれた僕の目の中には赤面しながらもリコリスの瞳に怒りを宿していて
動揺
……今、僕は、何をされた…?あの柔らかな感触に加え甘く、熱いモノは───……
「──」
『っ……同情でも、何でもない、し』
『わ、私は！ちゃんと学秀が好きなの!!』
ふるふる震えながら、目頭に涙を溜めながら
明らかに勢い任せに言葉を綴る彼女を目に、“何故”、の2文字が浮かび上がる
「っ……何故、僕を選ぶ。Aにはもっと……相応の奴がいるだろう」
『……その“相応の奴”、が、学秀だからだよ。社会性あって、将来有望で。私は私の利益になる人が好き。だから私は学秀を好きになったの』
そう、含羞み、利己的主義ぶる彼女は
口から笑いが零れ落ちる
「そうか、そうだな。確かに僕程全能な奴は2人と存在しない。そんな僕を“相応”と表すとは……Aも随分と偉くなったものだ」
『……学秀の、幼馴染ですから』
口角を上げる彼女を眼に、一息
それから真っ直ぐ彼女を見つめて
「僕と付き合ってくれますか?」
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サヤ(プロフ) - 桜南さん» ｱｾｱｾ。ありがとう御座います(1年経ちそうな返信ですみません)またのんびりのんびり更新する予定ですのでお目通し頂けましたら幸いです！！ (2022年5月11日 4時) (
レス) @page6 id: 54deb64473 (このIDを非表示/違反報告)
桜南 - この作品すごく好きです!続き楽しみにしてます! (2021年6月26日 13時) (レス) id: 25a9b19637 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 浅野月愛さん» そうだったんですね！あ、はは……あおちゃん…、葵さんに個人的な質問をするチャンスだと思ったらつい…お恥ずかしい限りです…。それと、この作品は預かってるとは言え一応菜花さんのですから出来るだけ質問は本作の方で御願い申し上げます(><) (2019年1月27日 15時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - サヤさん» サヤさん宛てです！カップルの会話で、アヤさんとサヤさんのコメントが沢山あって気になってたんです！ (2019年1月27日 9時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
菜花 - 浅野月愛さん» 此処には葵さんがいすぎてどの方の事か見当付かないのですが、もし、合作させて頂いてる葵さんの事でしたら違います。此方こそ申し訳ありません。理由を御訊きしても良いでしょうか…? (2019年1月27日 6時) (レス) id: b56c1459fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜花 | 作成日時：2018年5月1日 0時
