私と君と、君とあなたと(２) (ページ7)

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なぜなんだろう。

ただ好きな人が出来て、

その人と両思いになれて付き合えた。

ただそれだけ。

だけどそれってすごいことで幸せなことなのに

なぜわたしはこんなにも辛いの、、、？

何かおかしいことをわたしはしてしまったんだろうか。

ずっと我慢してきた気持ちが一気に溢れてきて

わたしは涙が止まらなかった。

涙が落ち着いたあとバックを取りに教室に戻り

濡れている制服を脱ぎジャージに着替えた。

外はもう真っ暗になっていた。

濡れた制服をエコバッグに入れようとバックを開け探していると

チクッとわたしの指に痛みが走る。

教室が暗くてすぐに気づくことが出来なかったが

バックの中に刃が出しっぱなしのカッターが入っていた。

これもきっとあの３人の仕業で

次はカッターで何かすると言うことなんだろうか。

それともまた脅しなんだろうか。

分からない。

わたしはバックの中からある物を取り出してぎゅっと握りしめた。

紫耀くんが花火大会の時に取ってくれた指輪のおもちゃ。

お守りのようにあの日からずっと持っている。

指輪を握りしめながらわたしは

もう紫耀くんと付き合うのは終わりにすると決めた。

これ以上付き合っていたら紫耀くんとの楽しかった思い出が

全部消えてしまいそうな気がしたから。

それだけは絶対に嫌で、今ならまだ大丈夫。

楽しかった思い出のまま終われる。

あの時のわたしはそう思っていた。