私と君と、君とあなたと(２) (ページ5)

今日:11 hit、昨日:24 hit、合計:7,874 hit

54 ページ5

紫耀side

受験が始まり中々Aちゃんに会えない日々が続いていたが

連絡は適度に取っていた。

そんなある日、

AちゃんからいつものようにLINEがきたと思い開いてみると

バイトしていた喫茶店のマスターが癌になっていた、

そして余命が残りわずかと言うことが書かれていた。

俺はなんて声をかけてあげればいいのかわからなくて

"少しでもそばに居てあげて"

とだけ伝えた。

俺は今まで生きてきた中で身近な人の死を経験した事がない。

もし経験していたら何か他に伝えてあげれたのかもしれないけど

いまの俺にはこんなことしか言えなくて、、、。

ただAちゃんが

マスターのことを家族の様に大事に思っていたことは知っているから

悔いが残らないように少しでも一緒に居て欲しいと思った。

AちゃんからあのLINEがきてから俺は

今まで適度に連絡は取っていたが

この状況でLINEをし続けるのはメンタル的に大変かなと思い

少しずつAちゃんの無理ない程度に連絡を減らしていった。

だけどそれが良くなかったのかもしれない。

あの時もっと連絡をしていれば、、、

あの時もっと話しを聞いていたら、、、

Aちゃんの違和感に気づけたのかもしれない。

そしたら今とは違った未来があったのかな、なんて今なら思う。

だけどこのことに気づくのはまだ先で、、、。