私と君と、君とあなたと(１) (ページ45)

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花火大会の日からバイト最終日まではあっという間に過ぎてった。

わたしはバイト最後の日、

きっと泣いてうまく感謝の気持ちを伝えられないと思い手紙を書いて

花束を買って店に向かった。

最終日はたっくさんの人で溢れかえっていて本当に愛されていた店だったと思う。

マスター、おばさんはすごく幸せそうで

2人にはお客さんとの時間を楽しんでもらいたくて

わたしはいつも以上に働いた。

最後のお客さんを出口まで見送り、３人でホッと一息をつく。

一息をついてわたしはいつも通り軽くお喋りをして帰った。

ほんとは色々話したかったけど、やっぱり泣いちゃいそうで

だけど感謝の気持ちは手紙に書いたし、また会えるしと思っていつも通り帰った。

バイトが終わって家の最寄り駅に着くと

そこには紫耀くんがいて"お疲れ様"と言ってハグをしてくれた。

紫耀くんは今日部活の打ち上げでバイト先には行けないと言っていた。

だから今日は会えないと思っていたわたしはびっくりして

A「今日約束してなかったのにどうしたの？」

紫耀「バイト先には行けなかったけど、

Aちゃん今日最後のバイトだったからどうしてもお疲れ様って言いたくて

予定より少しだけ早く打ち上げが終わったから駅で待ってた！」

A「嬉しい！ありがとう紫耀くん！」

紫耀くんの優しさが胸に染みて目頭が熱くなる。

そんなわたしを見て紫耀くんは"よく頑張ったね"と言ってくれて

わたしは耐えきれなくなって泣いた。

紫耀くんはわたしの泣いてる姿を周りに隠す様に優しく抱きしめてくれた。

わたしは泣きながら楽しかったバイトの日々を思い出して

あそこで働けて本当に良かったと改めて思った。