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季節が春から夏へと変わり、高校最後の夏休みを迎えようとしていた頃、
"バイト終わりに時間を作って欲しい"とマスターとおばさんに頼まれていた。
2人からそんなことをわざわざ言われたのは初めてで、
なんだか分からないけど胸がざわついた、、、。
おばさん「ごめんね、バイト終わりに時間作ってもらっちゃって」
そう言ってカウンターに座るわたしの隣におばさんは腰掛けた。
A「いえいえ。大丈夫です！気にしないで下さい。」
おばさん「ありがとうね、Aちゃん」
マスター「とりあえずコーヒーでも飲みながらゆっくり話そうかね。」
いつものようにコーヒーを淹れているマスターの姿が
何故だかいつもより小さく見えたのは気のせいだろうか、、。
マスター「今日、時間を作ってもらったのは大事な話しがあってね。
聞いてくれるかな。」
A「、、はい。」
マスター「ありがとう。
、、、趣味で始めたこの喫茶店が今年で15年経ってね、
最初は5、6年だけやろうかななんて思ってたのに
随分と長いこと続いてしまったよ。
でもそのおかげでAちゃんとも出会えることが出来たから
続けてて良かったと思っているよ。
最初Aちゃんが"ここで働きたい"と言ってきたときは
お母さんとその夜、思い出しては笑っていたよ。」
おばさん「そうだったわね、お父さん。勢いのいい子だねって。」
A「その節は失礼しました、、。」
マスター「ハッハッハッ。良いんだよ。
わたし達夫婦には子供が居ないからAちゃんが本当の子供のようで
子供というよりは孫に近いけど、家族みたいな存在なんだよ。」
A「嬉しいです。わたしの両親は普段あまり家に居ないので
わたしもマスターとおばさんが家族みたいな存在で、、。」
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作者名：とぅーん。 | 作成日時：2023年6月4日 15時
