私と君と、君とあなたと(１) (ページ28)

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紫耀side

2人だと意識した途端、急に胸がドキドキする。

Aちゃんはどう思ってるのかな、なんて思って横を見るが

A「ここの階段を登って突き当たり左がわたしの部屋だから

適当に座って待ってて」

ドキドキしてるのは自分だけかと思い少しだけ残念に思う。

俺は言われた通り階段を登りAちゃんの部屋の前で一呼吸する。

心の中で"よし！"と気合いを入れて部屋を開け足を踏み入れる。

部屋はイメージ通りというかなんと言うか、シンプルだった。

だけど同じ色でまとめられているからかすごくオシャレに感じた。

俺はどこに座ろうかと一通り見渡してから

2人ほどが座れそうなソファに腰を下ろす。

その後すぐに階段を登る音が聞こえて

飲み物とお菓子を持ったAちゃんが現れた。

さっきのコンビニの袋はお菓子だったのかと今さら気づいて

お金を渡そうとしたけど断られてしまった。

2人してソファに座り少しの沈黙が流れたあと

ふと視線の先に中学の卒業アルバムが目にうつる。

紫耀「中学の卒業アルバム見ても良い？」

A「いいよ。でもわたし全然写ってないよ」

なんて笑いながら言ってた。

途中で転校したと言ってたからあまり載っていないのだろう。

それでも少しでも昔のAちゃんを見たくてアルバムを手に取る。