私と君と、君とあなたと(１) (ページ17)

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LINEの返信をしているとき、いきなりかかってきた電話。

相手はいまLINEをしている平野くん。

電話どうしよう、なんて思う隙さえなく押してしまった通話ボタン

心の準備も出来ないまま始まってしまったから

終始ドキドキが止まらなくて、

だから平野くんから突然発せられた

"かわいい"

って言葉がわたしを苦しめた。

平野くんにとったらかわいいなんて言葉に意味なんてない。

なのにわたしは平野くんの言葉に一喜一憂しちゃってバカだなって、

ただのクラスメイトで他の子と同じ様に喋ったりしてるだけ。

だけどやっぱり好きだから、

その言葉に何の意味もないことも分かっているのに、

いや、分かっているからこそ

素直に聞き流せない自分に悲しくて、涙が出てきた。

いきなり出てくる涙ほど焦るものはない。

どうにか平野くんにはバレないでと願いながら喋るわたし。

ほんとはわたし以外にかわいいなんて言わないで欲しい。

だけどそれは無理だから大事な子にだけ、、、。

すごく自分勝手な話しだけど、傷つきたくなくて。

"恋愛に傷は付きもの"

どこかの本で見たこの言葉がいきなり思い出される。

だけど恋愛初心者のわたしには無理そうです。

そんなことを考えていたら

平野くんから会いたいと言われて一瞬迷ったが会うことにした。

電話を切って時計を見ると18時20分。

ひとまず深呼吸をして駅に向かった。

平野くんを待つ間

泣いてるのがバレてたらどうしようとか、なんて言い訳しようとか

あれこれ考えてはいたけど平野くんに会った瞬間そんなことは全て消えた。