検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:20,878 hit

three ページ5

いつからか流れるようになった噂は、決して偶然ではなかった。
時期を見計らっていた森が意図して流したのである。
下級構成員はもちろんのこと、幹部すらも氷の悪魔(アイス・デビル)について気になりつついた。

「きっと太宰くんたちもAちゃんについて気になり始めた事だろう。

ねぇ、エリスちゃん。
彼らはどう動くと思う?」

太宰に連絡した森は椅子に座り、手にある端末を弄びながら問う。

リンタロウ

床で絵を描いていたエリスは手を止めて云う。

「私にとってはね、オサムとチュウヤがどんな反応をしようと関係ないわ。
でもね、A様に何かあったら……その時は例えリンタロウでも容赦はしない」

真っ直ぐな瞳をしたエリスはそう云い切るとまた絵を描き始めた。

「エリスちゃん。
君の主は私で、私を守るように設定してある。もちろんそれ以外はエリスちゃんの自由にさせてるはずだ。

一体、いつからそうなった(・・・・・)?」

多少の怒気を含んだ森にエリスはそのまま云った。

「……さぁ、いつからなんてわからないわ。
それでこそA様でしょ?

だからリンタロウも目を付けた。
けど、少なくともリンタロウがA様を利用としたのが悪いのよ。

自業自得ね」

冷たくエリスは云うと、扉の方を見て立ち上がった。

それと同時にコンコンと音が鳴る。

「首領、太宰と中原です」

じゃあねと、エリスは姿を消した。

それを見てため息をついた森はやってきた二人に入室許可を出す。

「やぁ、来てくれてありがとう」

ニコリと笑う森。

「実はね、以前壊滅した組織の残党が何かしようとしてるみたいなんだよ。
だから君たちには一人残らず始末してきて欲しい」

「してきて欲しい?
お願いだったら断ります。私は忙しいんですよ。

自 殺とか自 殺とか自 殺とね。新しい死に方を探さなければならない。

......あぁ、後は氷の悪魔(アイス・デビル)についても調べなければ。
部下がみんな噂にソワソワして使い物にならない」

だから力莫迦の駄犬を使わざるを得ないーーーー

太宰は中原の、誰が力莫迦の駄犬だゴラ、という噛み付きには一切相手をせず森を見つめる。

「お願い?命令だよ。

それにしても裏社会を牛耳るポートマフィアともあろう者たちが噂一つで使い物にならなくなるというのは頂けないなぁ」

軽い口調で戯けたように森は続けた。

「でもね太宰くん。力では解決できない問題もあるのだよ。時には待つことも大切だよ」

と。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←two



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

志乃(プロフ) - イバラ姫さん» ありがとうございます!そう言って貰えると創作意欲湧きます(笑) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 42b07cf3f3 (このIDを非表示/違反報告)
イバラ姫 - 凄く面白いです 続きが気になりますね (2017年3月5日 16時) (レス) id: 007731c897 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - りさん♪さん» そう言って貰えると嬉しいです!更新頑張らせて頂きますね♪ 若し何か可笑しくな所有りましたらお教え下さい。 (2017年2月6日 19時) (レス) id: 42b07cf3f3 (このIDを非表示/違反報告)
りさん♪(プロフ) - あ、、、面白い(確信)更新頑張ってください!! (2017年2月6日 19時) (レス) id: 58f88ae00d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:志乃 | 作成日時:2016年10月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。